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映画『サマー・サークル』ができるまで Vol.2 【CINEMORE ACADEMY Vol.52】

映画『サマー・サークル』ができるまで Vol.2 【CINEMORE ACADEMY Vol.52】

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現実的に撮影を成立させる



Q:脚本を拝見しましたが、前回の脚本ではエンディングに向かってストレートに話が積み上がっていく印象だったのが、直近の脚本ではキャラクターも増え、話の内容がストレートな縦軸から横軸へと広がっている印象がありました。


武中:それは嬉しい感想ですね。まずは縦軸を通すことに必死になっていたので、そこからどう膨らませていくのか。それが仰っていただいた通り、横の広がりでした。ただ、色々な方向に膨らんだことで縦軸がブレる部分も出てきたので、それを綺麗に整えつつ、横の広がりが立体的になるように仕上げていっています。


Q:事象を淡々と積み上げていくのか、「次はどうなるんだ!?」という煽りを入れるのか、演出によって映画の世界観や読後感は全く異なるものになると思います。撮影が迫っている中で、その辺りも決まってきているのでしょうか。


天利:そこも探っている状況です。一昨日まで福島に行っていて、スタッフの皆さんとロケ地をほとんど決めてきたのですが、ここからはお話を面白くすることをギリギリまでやりつつも、予算やスケジュールも含めて、現実的に撮影を成立させる段階に来ています。その中で平田監督の世界観をどう撮り切るか、今まさに議論中です。本当に毎日作戦を練っている感じですね。


武中:今は平田監督もすごく迷われている時期なのではないかと。予算や撮影スケジュールなどの現実的な制約を伝えながら、監督に脚本を作ってもらっていますから。「やりたいこと」と「成立させること」の間でプライオリティを考えながら、譲れない部分や抑えても大丈夫な部分などを、すごく悩みながらバランスをとってくれています。


本当だったら「100%やりたいことをやろう!」と言いたいのですが、それを簡単に言えないのが映画を作ること。「この映画の大事なところはここだ!」というポイントを打っていかないと、波ができなかったりもする。そこは平田監督が一番悩みつつ、僕らも一緒に悩みながら、どう組んでいくのかを考えているところです。



ロケハンの様子


Q:脚本が横に広がった分、劇中に登場する場所も増えています。例えば「2つの道に分かれるシーン」がありますが、監督のイメージする道が実際に福島の浜通りにあるのか。そこは撮影が可能なのか。場所を借りる、セットで作るなどの問題も出てきていると思うのですが、どのように進めているのでしょうか。


武中:既存のロケ地とまとめて、同じような表現ができないかなど、まさに検討している最中です。主人公が暮らす家のロケ地が決まって、その「2つの道に分かれるシーン」の分かれ道を、主人公の家から歩いていける距離で見つけようということになりました。そこで実際にスタッフと一緒に歩いて、「この道いいじゃん!」って場所を見つけたんです。そういうのは面白いですね。


道と家が遠ければ遠いほど、街の空気が少し変わるじゃないですか。実際に家から近い場所であることが、映画において大事だったりするんだと、とても勉強になりました。だから、効率だけで考えているわけでもないんです。制限があることが必ずしもネガティブではないのだと、作っていて感じますね。


天利:映画の制作部さんが本当にすごくて、撮影を成立させるために色々考えてくれるだけでなく、「このキャラクターがリアルにここで生活していたら」ということを軸に、ロケ地を探してくれる。雰囲気もマッチしている場所を提案してくれるのには感動しました。「ここは確かに、ハルカとトモヤが走ってそうだね」って。




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