繋いだものを何度も見てアイデアが浮かぶ
Q:編集についても伺います。今回は編集マンを入れず、ご自身で編集されたのでしょうか。
二村:今回は入れていないですね。
Q:それはなぜですか。
二村:僕は繋いだものを何度も何度も見ていく中で、新しいアイデアが浮かんでくるようなタイプの人間なんです。自分で編集して、何度も素材を見て、繰り返し同じインタビューを聞いて、アイデアが浮かぶのを待つというやり方のせいかも知れません。すぐに「じゃあこうした方がいい」という判断が難しいんです。
Q:私もテレビの仕事では編集マンと組むこともありましたが、編集マンに細かいニュアンスを伝えるのは難しいですよね。
二村:ただ、限られた時間の中で作業する時に編集マンが必要だったりする場合もありますね。編集マンにいてもらえれば僕は楽ですが、題材にもよります。

『京都ALS患者嘱託殺人事件』©『京都ALS患者嘱託殺人事件』製作委員会
Q:例えば「このカットが3フレーム長い」といった微妙な感覚は伝えづらいですよね。編集の生理的な好みを言葉にするのは、なかなか難しいと思います。
二村:そうですね(笑)。ただ、編集マンがいると客観的に素材を見てもらえるので、自分が「面白い」と思った部分も編集マンには大して響いてないなと思うと、「じゃあちょっとやめとくか」みたいな判断もできます。
Q:具体的な編集の話ですが、二村監督はインタビューの発言後の余韻を短めにしていますね。
二村:ああ、そう感じられましたか。
Q:良い悪いではなく、ドキュメンタリーでは話し終えた後にあえて間を残す手法もありますが、それをあまりされていないと感じました。
二村:そうですね。番組とかで、ちょっと素を何フレームか残して声を消すってよくやるじゃないですか。あれ、好きじゃないんですよ。口は動いていて何か喋っているのに、音が聞こえないから、ミスなのかなと思ってしまう。だからパツンと切っていい所はそれでいいかなと思うんです。