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40年ぶりの復活『風たちの午後』デジタルリマスター公開記念!矢崎仁司監督+金子由里奈監督特別対談【Director’s Interview Vol.21】

40年ぶりの復活『風たちの午後』デジタルリマスター公開記念!矢崎仁司監督+金子由里奈監督特別対談【Director’s Interview Vol.21】


街はセット『三月のライオン』



金子:『風たちの午後』の英題って何ですか?


矢崎:『afternoon breezes(アフタヌーン・ブリーズ)』。最初は、『風たちのための午後なんかない』っていう英題にしようと思ってたんだけど。もうこれが定着しちゃったからね。


金子:いい題名。


矢崎:山口百恵さんのファンで、彼女のLPの中の曲名ですね。


金子:『風たちの午後』。そうなんですね。


矢崎:阿木燿子さんの歌詞だったと思います。


ーーいいですね。


矢崎:先ほどネーミングって言ってましたけど、本当に下手で(笑)。


ーーいやいや。持ってくるものも素晴らしいですよ。


矢崎:人に付けてもらったようなもんです。


ーー『三月のライオン』とかも、なかなかつけれないですよね。


矢崎:「日本語とカタカナ英語があるとヒットする」って誰かが言っていて(笑)。いや、実際ヒットしたんですよ。


金子:そうなんだ。ちょっとメモしとこう(笑)。日本語とカタカナ英語。


ーー『三月のライオン』ですが、ケイズシネマで3月15日(金)の1日限定で上映されるんですよね。




矢崎:何年か前にニュープリントにしたので、撮影の石井さんが公開当時よりポジフィルムも良くなってるから綺麗だって言ってましたよ。


ーーフィルムで流すんですか。何て贅沢な。


矢崎:『ストロベリーショートケイクス』(06)のときか何かのときに、『三月のライオン』も1本のニュープリントを焼いてもらったんだと思います。その後、上映回数も少ないから、今でも割ときれいな状態ですね。


ーー『三月のライオン』は16ミリで撮ってるんですか。


矢崎:16ミリで撮りました。もう、いろんな所から端尺をもらって、その端尺で撮ってます。


ーー『三月のライオン』ってカメラもよく動いて、インディーズじゃないみたいですよね。


矢崎:撮影現場に5人しかスタッフがいなかったけどね。電車の線路のシーンでは、二人の助監督がやかんを持ってレールを濡らしに走って、やかんの水が無くなると物陰に隠れてカチンコ打ったりしてましたね。他にも、カメラテストの結果で緑の発色が良くない事がわかったんで、撮影中に緑が見えると、白い大きなビニールシートをみんなで掛けて緑を隠してました。夜の撮影では赤の発色が良くなかったから、地下鉄の看板とか赤みが出る照明は、ゲリラで勝手にネオンの蛍光灯入れ替えたりしてました(笑)。電話ボックスの上に赤があるのも、白いテーピングしちゃったりしてね。


金子:すごい、世界中を敵にしてますね。


矢崎:街はセットだと思ってた。


金子:「街はセット」その感覚はすごいです。


ーーそこまでしないと、あの画は出ないんでしょうね。


矢崎:美術っていうとインテリアのことばかりになりがちだけど、本当は通行人の傘一つとっても指示しないと、画は作れないなって思うんです。


ーーそれ、すごく画に出てると思います。何気なく見てますけどね。


金子:自分が普段見ている風景に、役者たちを入れるみたいなことをおっしゃってましたけど、ちゃんと矢崎監督の生活と持続して映画を撮ってるから、映画の中の時間も生きてくるんだなと思います。


矢崎:そう。電車の中で夏子が美津を見つめるときに、傘が置いてあるんだけど。雨が降ってるわけじゃないんだけど、僕の見た風景に、どうしてもそこに傘が欲しかったんだよね。



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