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『フレンチ・コネクション』がもたらした、ジーン・ハックマンの相棒ロイ・シャイダーの映画人生

(C)2017 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

『フレンチ・コネクション』がもたらした、ジーン・ハックマンの相棒ロイ・シャイダーの映画人生


クラウディの“その後”は、誰も知らない



 ロイ・シャイダーが演じたクラウディの存在が気になるのは、ポパイの相棒であるにもかかわらず、肝心な時、その場にいないからである。ポパイが地下鉄でシャルニエ(フェルナンド・レイ)から尾行を巻かれてしまう時も、ポパイが殺し屋のニコリ(マルセル・ボズフィ)に狙撃され、映画史に残るカーチェイスを繰り広げる時も、クラウディはそこにいないのだ。

 ポパイが主役であるから当然といえば当然なのだが、それにしても肝心の場面にいなさ過ぎる。『フレンチ・コネクション』と同じ年に公開された『ダーティハリー』(71)のハリー・キャラハン刑事(クリント・イーストウッド)のような“一匹狼”の刑事にポパイを感じてしまうのは、そのためだ。逆説的には、活躍の場が少ないにもかかわらず、強烈な印象を残すロイ・シャイダーの演技アプローチが優れていることも指摘できる。



(C)2017 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. 

 “肝心な時にいない”クラウディらしさは、映画のラストでも発揮されている。廃屋でシャルニエを追い詰めたポパイとクラウディだが、誤って刑事仲間を撃ち殺してしまう。だが、執念のポパイは、呆然とする彼を残してその場を去り、廃屋に銃声だけが響きわたるのだ。捜査の顛末として、どうやら二人はシャルニエを取り逃がしたであろうことが静止画とテロップで説明される。

 本作には続編である『フレンチ・コネクション2』(75)が存在する。シャルニエを追って、ポパイがフランスのマルセイユへやって来るという物語だが、そこにクラウディの姿はない。ポパイとクラウディにはモデルとなった実在の人物がいるのだが、映画の中のクラウディがその後どうなったのかは、誰も知る由がない。



 その後の姿がない作品といえば、ロイ・シャイダーのもう一つの当たり役であるスティーヴン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』(75)で演じたブロディ署長役が挙げられる。この映画は、当時の興行記録を塗り替えたメガヒット作だが、シャイダーは続編『ジョーズ2』(78)にもブロディ署長役で出演している。

 ところが、更なる続編『ジョーズ3』(83)にシャイダーの姿はなく、ブロディ署長の息子・マイケル(デニス・クエイド)が主人公の物語になっている。そして4作目となる『ジョーズ‘87 復讐編』(87)では、ブロディ署長が心臓発作で急逝したことが劇中で説明される。主人公となるのは、1作目と2作目に出演していた彼の妻・エレン(ロレイン・ゲイリー)。もちろん、シャイダーの姿はない。


 クラウディを演じたロイ・シャイダーは、『フレンチ・コネクション』でアカデミー助演男優賞にノミネートされたが、受賞は果たせなかった。また、第33回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールに輝いた『オール・ザット・ジャズ』(79)では、念願のアカデミー主演男優賞候補となったものの、やはり受賞を果たせずにいた。『ブルーサンダー』(83)や『2010年』(84)などの代表作があるにもかかわらず、ロイ・シャイダーの映画人生は、大きな映画賞に縁のないものだった。それゆえ、不遇なまでのグラウディの役回りは、どこかロイ・シャイダーの映画人生とも重なるのだ。

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