2019.11.26
トラボルタは怒って降板すると言い放った
一方、トニ役で一躍時代の寵児になるジョン・トラボルタは、役が決まって以降、厳しいダンスレッスンに励んでいた。そうして、プロ並みのスキルを身につけた彼は、特に、ダンスナンバーの白眉、”ユー・シュッド・ビー・ダンシング”では、リズムに乗って折った膝をフロアに付けては立ち上がるという神業をモノにする。しかし、 スタジオ側がそのシーンを彼の全身ショットではなく、クロースアップでカバーしようとしていると知るや、猛烈に抗議。それが受け入れられなければ降板するとまで言い放つ。
「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」
そこに登場するのがスティグウッドだ。スティグウッドはドラボルタの思いを受け入れ、彼に編集作業への参加を提案する。こうして、スティグウッドはスマッシュヒットの原動力になる音楽と監督と、そして、これで初のオスカー候補を勝ち取ることになる主演俳優を手にしたわけだ。
結果、映画『サタデー・ナイト・フィーバー』は、1975年から76年にかけて巻き起こった第1次ディスコ・ブームを再燃させ、不良の溜まり場のイメージがあったディスコを大衆の社交場へと変えるきっかけを作った。ジョン・トラボルタはこう言っている。「この映画はすでに終わっていた第1次ディスコ・ブームをユーモラスに蘇らせた”レトロ/ノスタルジア型スプーフィング(なりすまし)”だ」と。
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