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『ミーン・ストリート』マーティン・スコセッシ&ロバート・デ・ニーロの初タッグにみる、ギャング映画の原点

『ミーン・ストリート』マーティン・スコセッシ&ロバート・デ・ニーロの初タッグにみる、ギャング映画の原点

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スコセッシの生々しい感覚が堪能できる最高の音楽映画



 『ミーン・ストリート』を振り返った時、真っ先に浮かぶのはタイトルバックの音楽、<ビー・マイ・ベイビー>である。女性コーラス・グループ、ザ・ロネッツの63年のヒット曲で、独特のリズムで知られるフィル・スペクターが制作を担当。この曲に合わせて、登場人物たちの日常の一部を切り取ったホームムービーが映し出されていく。そこにいるのは街のロクデナシばかりだが、その愚かさも含めて、“はぐれ者”たちを愛さずにはいられなくなる(蛇足ながら、主要人物4人を短いエピソードで紹介する冒頭部分にはダニー・ボイル監督の『トレインスポッティング』(96)への影響もうかがえる)。



 その後もはっとするような音楽の場面が次々に登場する。チャーリーがトニーのバーに入ると、ザ・ローリング・ストーンズの<テル・ミー>が流れ、赤いライトに照らし出された店内で体をくねらせ、やがて舞台の上でストリッパーたちと踊る(ドリーを使った撮影が印象的だ)。続けてストーンズの<ジャンピン・ジャック・フラッシュ>が流れ、トラブルメーカーのジョニー・ボーイが現れる。「俺は嵐の中で生まれた」という荒々しい歌詞がジョニーを表現していて、大きなインパクトを残す。


 また、ザ・チップスの<ラバー・ビスケット>が流れる場面では、カメラが激しく揺れて、バーで酔いつぶれるチャーリーに同化できる。店内でケンカが始まる場面では、ザ・マーベレッツの<プリーズ・ミスター・ポストマン>が流れ、店内をカメラが縦横無尽にかけめぐる。また、店で騒動を起こしたジョニー・ボーイとチャーリーが外に出て、先に車に乗ったチャーリーの前でジョニーがふざけたダンスで踊ってみせる曲はザ・ミラクルズの<ミッキーズ・モンキー>。


 クライマックスの銃撃戦の場面ではクリームの<ステッピン・アウト>が流れ、エリック・クラプトンのギターが鮮烈な印象を残す(クラプトンは別の曲も使われる)。


 映画に登場するクラブにはジューク・ボックスが置かれているが、映画そのものにも音楽があふれている(スコセッシは自身のレコード・コレクションの中から選曲したようだ)。ロックやR&Bだけではなく、イタリアのフォークソングやオペラも登場。さまざまな音楽が流れるが、スコセッシによれば、リトル・イタリーの街ではそれぞれの家の窓からさまざまな音楽が聞こえてきたので、それを意識したという。記憶の中の音楽感覚が再現されることで街のリアルな手ごたえが残る(監督も少しだけ出演)。



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