※本記事は物語の結末に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。
『殺人の追憶』あらすじ
1986年10月、農村地帯華城市の用水路から若い女性の変死体が発見される。地元の刑事パクは取り調べを始めるが、現場は大勢の見物人で荒らされ、証拠がつかめず。捜査は進展しないまま2か月が経ち、第ニの事件が起きてしまう。
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実際の未解決連続殺人事件を若き天才監督が映画化
韓国で実際に起こった「華城連続殺人事件」は、80年代半ばから90年代初頭にかけて、ソウル近郊の農村で10人もの女性が強姦殺人の被害者となったという凶悪事件だ。
長らく未解決とされ、時効が成立していたが、ついに2019年に犯人が特定され、妻の妹の強姦殺人によって無期懲役の刑を受けていた囚人だったことが分かった。この凄惨な連続殺人事件を、いまだ犯人が見つからない2003年の時点で映画化したのが、本作『殺人の追憶』である。
『殺人の追憶』予告
監督は、『パラサイト 半地下の家族』(19)によって、カンヌ国際映画祭・最高賞パルム・ドールを、初めて韓国にもたらした、いまや世界を代表する巨匠のひとりとなっている、ポン・ジュノ。本作『殺人の追憶』は、彼の映画監督としての初期を代表する傑作の一つとして、すでに評価が定まっている映画作品といえる。