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ポン・ジュノ監督『グエムル-漢江の怪物-』にみる格差社会と、怪物の正体とは?

ポン・ジュノ監督『グエムル-漢江の怪物-』にみる格差社会と、怪物の正体とは?


※本記事は物語の結末に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


 韓国に初めて、カンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールをもたらした『パラサイト 半地下の家族』(19)。2020年1月現在、さらにアカデミー賞作品賞へのノミネートも成し遂げ、まさにフィーバー状態といえる。あまりの傑作ぶりに、監督のポン・ジュノはアメリカの人気トークショーに出演するなど、もはや英雄のような存在になった感がある。



 だがこの受賞、10年以上遅すぎたといえよう。なぜならジュノ監督は、それ以前からすでにパルム・ドールに値するような、規格外の傑作をいくつも撮りあげていたのである。そして、その代表格といえるのが、本作『グエムル -漢江の怪物-』(06)だ。同じくソン・ガンホを主演にソウルの貧しい家族の物語を描いた、『パラサイト 半地下の家族』の原型ともいえる本作。むしろこちらの方が、巨大な怪物が出現するという意味で、よりユニークだともいえる。 


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漢江に出現する“グエムル(怪物)”



 本作の主な舞台となるのは、首都ソウルを通過する広大な川“漢江(ハンガン)”流域。そこで育った巨大な爬虫類のような生物“グエムル(韓国語で「怪物」の意)”が、人々を襲い始めることから、物語が動き出す。グエムルのCGによる造形は、ピーター・ジャクソン監督が代表者を務め、業界の先端に位置するWETAデジタルが手がけている。



 ソン・ガンホが演じているのは、漢江のすぐそばで営業する露店で働いているパク・カンドゥ。ぼうっとしていて寝てばかりいる、やる気のない男だが、母親がいなくても元気にすくすくと育っている娘のヒョンソ(コ・アソン)を溺愛している。だが、突如として出現したグエムルによって、ヒョンソは連れ去られてしまう。


 カンドゥと、露店を経営するカンドゥの父親(ピョン・ヒボン)、大学は出たけれど職のない弟(パク・ヘイル)、マイペースすぎるアーチェリー選手の妹(ペ・ドゥナ)……普段は仲が良いとはいえず、バラバラに暮らしているパク一家は、全員が非常に頼りないものの、ヒョンソ救出のため一丸となって、閉鎖された漢江エリアに侵入し、グエムルがヒョンソを持ち帰った場所を捜索することになる。




 その障害となるのは韓国政府だ。グエムルが未知のウィルスを、接触した人間に感染させるという話が流布されたため、一家を隔離しようとする政府機関の追跡を逃れなければならない。当局の人間たちはヒョンソ捜索に全く協力する態度を見せないため、パク一家がヒョンソを救うためには、たとえ犯罪容疑者になったとしても政府の手から逃れて、自分たちの力でヒョンソの痕跡を追い続けるしかないのだ。



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