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『コーラスライン』ミュージカルの舞台と映画。互いに補完しあい、進化し続けるオリジナル作品

(c) Photofest / Getty Images

『コーラスライン』ミュージカルの舞台と映画。互いに補完しあい、進化し続けるオリジナル作品

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『コーラスライン』あらすじ

売れっ子ディレクターのザック(マイケル・ダグラス)は新しいショーのために、男女4人ずつのコーラスダンサーを選ぶオーディションを実施。数百人の若者の中から絞られた16人に、ザックは容赦なく様々な質問を浴びせ、生い立ち、両親、家族、性体験、セクシャリティ、整形…など、それぞれの素顔が浮き彫りになっていく。そんな中、オーディション会場にザックのかつての恋人キャシー(アリソン・リード)が駆けつける。彼女はハリウッド女優を目指して彼の元を去ったのだが、夢破れて舞い戻ったのだった。そんな彼女にザックは「コーラスに耐えられるはずがない」と突き放すが、キャシーは「自分にはダンスしかないと」とオーディション参加を懇願。16人の人生模様、そしてザックとキャシーの関係が交錯しながらオーディションは進んでいく。


Index


舞台を映画化するか、映画を舞台化するか



 映画史をさかのぼって、ミュージカル映画の大傑作を振り返ると、『ウエストサイド物語』、『サウンド・オブ・ミュージック』、『南太平洋』、『王様と私』、『 マイ・フェア・レディ』など、いわゆるミュージカル黄金期の作品群は、ブロードウェイの舞台の映画化というパターンが多い。一方で『 雨に唄えば』、『 巴里のアメリカ人』、『 バンド・ワゴン』などは、映画オリジナル。ジーン・ケリー、フレッド・アステアといったミュージカル・スターたちが存在していた時代に、彼らのために製作され、名作となったパターンだ。


 黄金期が終わった1970年代あたりからミュージカル映画は減少傾向となったものの、そこに新しい流行が生まれた。映画→舞台ミュージカル化という流れだ。『 アパートの鍵貸します』→「プロミセス プロミセス」や『 Mr.レディMr.マダム』→「ラ・カージュ・オ・フォール」、『 四十二番街』→「42セカンド・ストリート」という例もあるが、この潮流を「流行」にさせたのが、ディズニーアニメだ。『 美女と野獣』、『リトル・マ—メイド』、『アラジン』、『ライオン・キング』と、1980年代末から連発された大ヒット作が、ブロードウェイ地区の再開発も伴って、軒並み舞台ミュージカル化される。ディズニーアニメ以外にもこの流行は広がり、『天使にラブソングを…』、『キンキー・ブーツ』、『リトル・ダンサー』、『ONCE ダブリンの街角で』などが続々とミュージカル化されていく。


 さらに別パターンとして、映画→舞台ミュージカル化→その舞台をさらに映画化、という三段階の作品も現れるようになった。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『 プロデューサーズ』、『 ヘアスプレー』などタイトルが変わらない作品もあれば、『8 1/2』→「 ナイン」→『 NINE』のようにタイトルを変えながら三段階を経た作品もある。元の映画はどれもミュージカルではない(『ヘアスプレー』は音楽が多く使われているが)。



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