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『ブレードランナー ファイナル・カット』IMAXデジタルシアター上映徹底レポート!

『ブレードランナー ファイナル・カット』IMAXデジタルシアター上映徹底レポート!

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巨大スクリーンで観る未来都市図像の愉悦



  というわけで、『ブレードランナー』IMAX版上映の成果を自分自身で確かめるため、筆者は池袋のグランドシネマサンシャインを訪れた。


 当IMAXオーディトリアムは今年の7月19日に「日本最大級のスクリーンサイズ」という触れ込みでオープン。以来、連日大勢の観客が詰めかけ、なかなかの活況を呈している。特徴的なのは従来のIMAXデジタルシアターに比べ、上下に広いフィルムIMAX(1.43:1)のアスペクト比に準じたスクリーンサイズを有しており、より多様な画郭(画角)のIMAX作品を上映できる点にある。


 加えて4Kレーザー投影システムという、高解像度な上映方式を持つことも同オーディトリアムのアドバンテージだ。「ファイナル・カット版」は4Kをオリジナルフォーマットとしながら、2007年の初公開時には劇場環境が整わず2Kでの上映がほとんどだったので、4K視聴という選択肢が与えられることは大変にありがたい。




 前振りが長くなったが、今こうして上映時の印象をまとめてみると、鑑賞の感触はじつに上々だったといえる。


 IMAXコーポレーションはテクニカルスペックに関する情報開示をおこなわないので視認による判断だが、『ブレードランナー』IMAX版のアスペクト比はオリジナルと同様の2.39:1で、デジタルIMAXの標準である1.90:1に切り取られたり、あるいは加工されたりといった痕跡は見られなかった。他にも35mm本編部分のフィルムグレイン(粒状性)がIMAX DMR処理時に低減されたようで、65mm撮影ショットとの極端な画質差を感じぬよう配慮されている。

 

 4Kレーザー投影システムならではの恩恵も存分に受けており、高精細をきわめた映像は過去に接したどの『ブレードランナー』とも一線を画する。特に誰もが初見で驚かされたであろう、2019年ロサンゼルスのディストピア的ヴィジョンはジャイアントスクリーンに投影されることでより異様な雰囲気を放ち、「逆に大写しになってしまうと、ミニチュア撮影であることが目立つのでは?」という心配すらも軽く一蹴してくれる。




 なにより巨大画面で本作と接することで、ブルーレイや配信では見過ごしがちな描写へ意識的に目がいく。レイチェル(ショーン・ヤング)の幼少時代の写真が一瞬動く美しい演出も、J・F・セバスチャン(ウィリアム・サンダーソン)の部屋に本作の議論を呼ぶユニコーンの姿が映るのも、凝視するまでもなく自然と感じることができるのはIMAXの強みだ。


 サウンドの要素も映像にひけをとってはいない。12.1chのIMAXイマーシブ・サウンド・システムを通して再生される『ブレードランナー』は、効果音の移動感以上に包囲感の構築が前面に出ており、観客をより強くスクリーンの向こう側へと誘う。落雷やブラスターの発砲音は身に危険を覚えるような大音響で鳴り、また降り注ぐ酸性雨や街の喧騒はリアリティを増して観る者を囲み、深い没入感を与えてくれるのだ。


 また、ヴァンゲリスの印象的なアンダースコアも重厚さを増し、そんな状態でもセリフの明瞭さは保持され、デッカード(ハリソン・フォード)のレイチェルに対する甘い囁きや、ロイ(ルトガー・ハウアー)の哲学めいた問いかけに、よりいっそうの説得力がもたらされている。



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