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応援上映の元祖『ロッキー・ホラー・ショー』が、現在も未来も愛され続ける理由とは

(C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

応援上映の元祖『ロッキー・ホラー・ショー』が、現在も未来も愛され続ける理由とは

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小道具を持ち寄り、叫び、踊る、観客一体型の体験



 最も象徴的なのは、1978年から上映が始まったニューヨーク8丁目、プレイハウスでのミッドナイト興行で、毎週金曜と土曜の上映にコスプレした観客が集まり、上映に自分たちも「参加」する形式がイベント化。なんと12年間ものロングランを記録したのである(1作のロングランとしては世界記録という説も)。


 そのプレイハウスでの上映が前述のように『フェーム』で描かれた。ロングランの後半時期に実際に上映を体験したところ、コスプレ率はそんなに多くはなく、ニューヨークの観光客が簡単な小道具を手に楽しむ、という、ほのぼのとした雰囲気ではあった。



『ロッキー・ホラー・ショー』(C)2016 Twentieth Century Fox Home Entertainment, Inc. All Rights Reserved. 


 この『ロッキー・ホラー・ショー』観客参加型上映は各国に広まり、日本でも1988年、渋谷のシネマライズのレイトショーで行われた。使う小道具に厳格なルールはないし、上映された国や時代によっても異なる。それでも基本の道具と、使用シーンは以下のとおり。


・お米(冒頭の結婚式で撒く)

・水鉄砲(雨のシーンで前列の客に水を浴びせる)

・新聞紙(同シーンで、後方の席からの水を防ぐ)

・懐中電灯またはライター(屋敷に向かうシーンの“There’s a Light”の歌詞で点灯。ライターの火は、その後、多くの国で禁止に)

・ゴム手袋(フランクの演説で彼がゴム手袋をパチンと鳴らすシーンで)

・音が出る何か(フランクの実験に人々が拍手するシーンで)

・トイレットペーパー(ブラッドが“Great Scott!”と叫ぶシーンでロールを投げる。「スコット」ブランドを推奨)

・紙吹雪(人々が紙吹雪を撒くシーンで)

・トースト(フランクが夕食でトーストを頼むシーンで投げる。初期はバターが塗られていたが客席が汚れることで禁止に)

・パーティ用帽子(人造人間ロッキーの誕生を祝うフランクが帽子をかぶるシーンで一緒にかぶる)

・ベル(“Did You Hear a Bell Ring?”の歌詞に合わせて鳴らす)

・トランプなどカード(フランクが歌う“Cards for Sorrow, Cards for Pain”に合わせて投げる)


 そのほか、セリフに対してツッコミを入れたり、野次をとばしたりするのも恒例となり、「ブラッド」の後に「asshole(まぬけ)」、「ジャネット」の後に「slut(あえて意味は書きません)」と、かなりお下品な言葉を一斉に叫ぶ。棺を開けるシーンでは、最近亡くなった有名人の名前を口にするなど、時期に合わせたルールもあったりと、とにかくやりたい放題なのである。


 そして最高の盛り上がりとなるのは、ダンスナンバーの「タイムワープ」で、何人かの観客がスクリーン前で一緒に踊る。この「タイムワープ」のステップ解説書を配布した国もあったほどだ。



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