1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ゴーストバスターズ
  4. 『ゴーストバスターズ』84年全米興収7週連続No.1!社会現象まで巻き起こした徹底したリアル戦略とは
『ゴーストバスターズ』84年全米興収7週連続No.1!社会現象まで巻き起こした徹底したリアル戦略とは

『ゴーストバスターズ』84年全米興収7週連続No.1!社会現象まで巻き起こした徹底したリアル戦略とは


Index


監督が実践したヒットの法則“現実のドミノ効果”



 1984年6月、アメリカで封切られた本作は7週連続で興収1位をキープし、この年の年間興収で見ても『 ビバリーヒルズ・コップ』に続く第2位の座を獲得。制作費は3000万ドルという当時にしてみれば破格の規模だったものの、世界的にはその10倍にあたる興収3億ドルを稼ぎ出し、さらには巧みなマーチャンダイジングによってグッズ、音楽、玩具、ゲームなど様々な領域にまで波及効果を及ぼした。


 もちろん、そこにストーリー的な斬新さや面白さがあったのは言うまでもない。卓越した才能を持ったコメディアンが一致団結して臨んだ様子も「 別記事」にてお伝えした通りだ。そこにさらなる要素が次々と折り重なって化学変化の波を拡大させていくわけだが、アイヴァン・ライトマン監督によれば、その成功の大きな鍵となったのは「現実のドミノ効果」だという。


『ゴーストバスターズ』初期段階で想定されていた、幻のメンバーとは一体誰?


 観客は正直だ。いきなり荒唐無稽な絵空事をぶち込まれても心を動かすことはない。大切なのは身近なリアリティから一歩ずつ描いていくこと。その丁寧な積み重ねによってのみ、荒唐無稽なオバケ退治のフィクション世界を、あくまで現実の延長線上に提示することができるのだ。作り手たちが原案の「未来世界」を「現代のニューヨーク」へと置き換え、「オバケ退治業者の開業物語」という誰もが共感可能なものへ仕立てたのもそこに理由がある。




 この映画の肝となる超常現象やオバケの登場シーンにおいても、作り手たちは「現実のドミノ効果」を忘れなかった。84年当時、まだCGのない時代だからこそ、そこには手の温もりが伝わってくるようなアナログな仕掛けが盛りだくさんだ。市立図書館ではワイヤーに吊るした本を人力でスルスルと移動させたり、壁の裏側に隠れたスタッフが息を吹きかけて引き出しのカードを桜吹雪のように舞い散らせる手法も、思いのほかリアリティを伴って活写された。


 また、本編に登場するゴーストの多くは生身の人間が演じているからこそ、その動きが妙に人間臭くて味わい深いものばかり。当時の合成技術もまた、CGなどとは一味違った温もりとおかしみを感じさせてくれる。


 ただ唯一、作り手たちが不安視していたのがマシュマロマンのくだりだったとか。ライトマンも「あまりに荒唐無稽すぎて“現実のドミノ効果”に反しているのではないかと不安だった」と振り返る。しかし日本の怪獣映画のようにジオラマの上を着ぐるみのマシュマロマンがプヨンプヨンと闊歩していく様は、その可愛さと破壊ぶりのギャップがなんとも言えないおかしみを生み、試写会でも大好評。結果的には本作の顔ともいうべき名シーンとして語り継がれるまでになった。こうしてうまく受け入れられたのも、そこに至る現実のドミノが極めて正確かつ丁寧な連鎖反応を巻き起こしていったからに違いない。



PAGES

この記事をシェア

公式SNSをフォロー

counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ゴーストバスターズ
  4. 『ゴーストバスターズ』84年全米興収7週連続No.1!社会現象まで巻き起こした徹底したリアル戦略とは