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『はじまりのうた』“ミュージック”と”ストリート”が合体したジョン・カーニー渾身の1作がしみじみ目と耳に染み入る理由

『はじまりのうた』“ミュージック”と”ストリート”が合体したジョン・カーニー渾身の1作がしみじみ目と耳に染み入る理由

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音楽を共有しながら夜のマンハッタンを散策する



 まずカーニーは、彼にとって憧れの街であるニューヨークを、物語の新たな舞台として自転車でロケーション・ハンティングした。その際、映画の重要なツールとなるイヤホンで音楽を聴いていたかどうかは不明だが(恐らくそうだったと推測する)。結果、マーク・ラファロ扮する落ち目の音楽プロデューサー・ダンと、キーラ・ナイトレイ演じる歌手のグレタが、隣り合ってそぞろ歩く地下鉄駅や、デランシーストリート周辺やソーホーのモットストリート、テーブルを挟んで語り合うプリンスストリートにある”Cafe Gitane”などをロケ地に設定することとなる。




 極め付きは、2人がイヤホンスプリッターを使って音を共有しながら、夜のタイムズスクエアを徘徊するシーンだ。誰もが見飽きたネオンの谷間に蠢く人々の喧騒が、2人がプレイリストに入れた、スティービー・ワンダーの”For Once In my Life”やドーリー・ウィルソンの”As Time Goes By”を通して眺めると、全く違う風景に変貌するのだ。


 その時、ダンがグレタに語りかける言葉には、この映画の、そして、ジョン・カーニーの音楽に対する純粋で深い愛情が込められている。「平凡な風景が意味のあるものに変わる。陳腐でつまらない風景が、美しく光り輝く真珠になる。音楽でね。音楽は魔法だ」。



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