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『はじまりのうた』“ミュージック”と”ストリート”が合体したジョン・カーニー渾身の1作がしみじみ目と耳に染み入る理由
映画は世界中でヒットし、主題歌はオスカー候補に
オルタナティブ・ロックバンド、”ニューラディカルズ”のフロントマンとして活躍し、名プロデューサーとして知られるグレッグ・アレクサンダーが携わったサウンドトラック。そこには、劇中で人気ミュージシャンとしてブレイクするデイブ役を演じた、「マルーン5」のアダム・レヴィーンが歌うヒットチューン、”ロストスター”も収録されている。
”ロストスター”は第87回アカデミー賞の歌曲賞候補に名を連ねた。そして、映画自体も800万ドルの製作費に対して、全世界で6,300万ドルの収益をあげた。全米では同時期に公開された『トランスフォーマー/ロストエイジ』(14)を抜いて、スクリーンアベレージで第一位を獲得している。それは、2014年6月27日の全米公開日に合わせて、サウンドトラックをリリースするというマーケティングの勝利でもあった。結局、ビジネス優先主義に一石を投じた映画は、実際には、ビジネスとしてしっかり成功を収めたわけである。
『はじまりのうた』(C)2013 KILLIFISH PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.
イヤホンスプリッターでマンハッタンの夜をゴージャスに徘徊したダンは、「音楽で平凡な風景が光り輝く真珠になる」と言った後、こう付け加える。「歳をとると、真珠がなかなか見られなくなるけどね」と。そんなダンの言葉を聞くと、今すぐ、最新鋭のイヤホンを耳につけて街に飛び出してみたくなる。果たしてその時、見慣れた風景が違う光を放っているかどうかを確かめるために。
文 : 清藤秀人(きよとう ひでと)
アパレル業界から映画ライターに転身。映画com、ぴあ、J.COMマガジン、Tokyo Walker、Yahoo!ニュース個人"清藤秀人のシネマジム"等に定期的にレビューを執筆。著書にファッションの知識を生かした「オードリーに学ぶおしゃれ練習帳」(近代映画社刊)等。現在、BS10 スターチャンネルの映画情報番組「映画をもっと。」で解説を担当。
『はじまりのうた BEGIN AGAIN』
デジタル配信中/Blu-ray・DVD発売中
https://Movie.lnk.to/hajimariTW
Blu-ray:¥4,700(本体)+税
DVD:¥3,800(本体)+税
発売・販売元:ポニーキャニオン
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