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『オースティン・パワーズ』オシャレでサブカル的!? オタク心に響くお笑い映画の快作

(c)Photofest / Getty Images

『オースティン・パワーズ』オシャレでサブカル的!? オタク心に響くお笑い映画の快作

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スパイ喜劇の基本:お笑いキャラとパロディー



 脚本と製作を兼任し、なおかつ主人公オースティンと悪役イーヴルの二役を演じたマイク・マイヤーズは全米の長寿コメディ番組「サタデーナイトライブ」出身で、日本では『ウェインズ・ワールド』(92)の主演で知られるようになった。カナダ生まれだが、両親が『007』シリーズのおひざ元、イギリス出身であったことから、彼は子供のころから『ピンクパンサー』などの英国の映画人が絡んだコメディに親しんできた。『オースティン・パワーズ』は、そんな彼の背景が活きた作品だ。コメディアンとして、この企画をみずからスタジオに持ち込み、時の人気女優デミ・ムーアを共同プロデューサーに迎えて、製作が動き出す。


 主人公オースティンは世界的に活躍し、ロンドンではセレブのようにチヤホヤされる人気者だが中身はトコトン、バカ者だ。『ウェインズ・ワールド』の主人公と同様に幼稚で、知性的とはいえない。なおかつ60年代のフリーセックスの空気を吸い込んだエッチ大好きなキャラなので、下ネタは多め。一方のドクター・イーブルも笑いの見せ場をさらうキャラ。悪党の割には内気で、息子との関係に問題を抱えていたりする。このふたつのキャラクーを演じるマイヤーズは、ほぼ全編にわたって劇中で姿を見せる。



(c)Photofest / Getty Images


 加えて、パロディがふんだんに盛り込まれていることが笑いのポイント。わかりやすいところでは、ペルシャ猫を愛でるドクター・イーブルのビジュアルは、初期『007』シリーズの悪役ブロフェルドからの引用。イーヴルの手下たちは『 007/ロシアより愛を込めて』(63)『007/ゴールドフィンガー』(64)などに登場した悪役のパロディだ。


 また、オースティンにはスパイの他にカメラマンという別の顔もあり、モデル相手にセッションを展開するが、これはミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』(66)そのまま。オースティンが眼鏡をかけているのは、『国際諜報局』(65)に始まるマイケル・ケイン主演のスパイ活劇“ハリー・パーマー”シリーズの主人公からヒントを得た。いずれも1960年代のイギリス映画ばかりで、スウィンギン・ロンドンと呼ばれた当時のロンドンのファッショナブルな若者たちの間で人気を博した作品だ。




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