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『サイドウェイ』熟成ワインのように深みを増し、愛され続ける傑作ロードムービー

(c)Photofest / Getty Images

『サイドウェイ』熟成ワインのように深みを増し、愛され続ける傑作ロードムービー

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本作に影響を与えたイタリア映画と、イギリス映画とは?



 ちなみに、原作者レックス・ピケットは執筆する上で、イギリス映画『ウィズネイルと僕』(87)に多少なりとも影響を受けたとか。


 60年代の終わり、一つの文化的な波が終焉を迎える時代を背景に、酒とドラッグに浸った親友どうしがコテージで身の丈に合わない優雅な週末を過ごそうとする物語だ。二人の関係性を示す会話の応酬といい、ラストに迎える一抹の物寂しさといい、なるほど、『サイドウェイ』と重なる味わいが感じられる。


『ウィズネイルと僕』予告


 アレクサンダー・ペイン監督にとっても、この『ウィズネイルと僕』はお気に入りの映画だと言う。が、映画化の道をたどる上で参考にすることはなかったそう。むしろ彼が参考作品として挙げるのは、カルトな人気を誇るイタリア映画『追い越し野郎』(62)。ひょんなことから知り合った青年と破天荒な中年男性が共にドライブに出かける物語だが、正反対の二人は互いに友情を深め、かと思えばラストにはやはり狂騒的な顛末が降りかかることになる。


 ペイン監督は『サイドウェイ』を手がけるにあたり、この映画をシーンごとに細かく分析して研究し、とりわけ車を走らせながらの撮影方法やロケーションなどの面で受けた影響は大きかったそうだ。


 ちなみにこの『追い越し野郎』は、60年代のロードムービーの金字塔『イージー・ライダー』(69)や、00年代を代表する『モーターサイクル・ダイアリーズ』(04)にも影響を与えているとか。




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