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『スネーク・アイズ』長回しにスプリット・スクリーン、まさにブライアン・デ・パルマならではの興奮と狂気

(c)Photofest / Getty Images

『スネーク・アイズ』長回しにスプリット・スクリーン、まさにブライアン・デ・パルマならではの興奮と狂気

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ブライアン・デ・パルマという幸福な悪夢



 「ブライアン・デ・パルマが好き」と口にする時、私の胸はザワつき背徳感でいっぱいになる。この複雑な感情を”偏愛”とさえ呼びたくなるのは、自分でも「デ・パルマ作品は決して幅広い人たちに受け入れられるものではない」と重々承知しているからなのだろう。「映像にばかり凝り過ぎる」「悪趣味」「狂気」。彼のことをそう揶揄されてもぜんぜん腹は立たない。むしろ「そうだよね」と素直に頷いてしまいそう。当然「でもそこが好きなんだ」と返してしまうわけだけれど。


 若かりし頃は、コッポラ、ルーカス、スコセッシ、スピルバーグらと徒党を組んでいたデ・パルマ。また、デ・ニーロの才能にいち早く注目し、初期作の主演に抜擢したのも彼だった。


 あれから数十年が経ち、旧友たちは皆すっかり”巨匠”として崇拝される立場となったが、彼だけはどこか違う。80歳を超えた今なお、掴みきれないところがあると言うか、正体不明だ。少年の日の悪夢を抱え続けたまま老人になってしまったかのような不完全さ、不格好さ、未完成さ。そこにたまらなく惹かれてしまう自分がいるのだが、さて、あなたはいかがだろうか。



 デ・パルマの人生をフィルモグラフィーと共に紐解くと、絶賛されたかと思えば次の瞬間には大酷評へ突き落とされるなど、波乱万丈な浮き沈みが連続する。


 そんな中、私の興味関心が『スネーク・アイズ』(98)に吸い寄せられてやまないのは、これが『ミッション:インポッシブル』(96)と『ミッション・トゥ・マーズ』(00)に挟まれた中間地点で生まれたシロモノだからだ。


 ハリウッドの最もスポットライトの当たる場所で大成功を納めた前者と、それとは真逆の驚異的な失敗作となった後者。すなわちデパルマにとって、あるいは彼を偏愛する者にとって、『スネーク・アイズ』は天国と地獄の狭間にある”煉獄”のような存在と言えるのかもしれない。




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