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『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』アル・パチーノが体現する人生の教訓

(c)Photofest / Getty Images

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』アル・パチーノが体現する人生の教訓

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アル・パチーノといえば…



 たった一度だけしか観ていないにも関わらず、脳裏に焼き付いて離れない映画がある。誰しもそういった作品はあるだろう。ではこのような作品と観客の関係性は、どのようにして生まれるのだろうか。


 「興味のあるテーマを描いたものだから」「トラウマになったシーンがある……」「生涯忘れられないセリフがあった」──などなど、理由はそれぞれだろう。そのような映画との関係性において、「俳優の演技がすごかったから」という理由の作品もあるはずだ。ここでは、筆者にとってそんな作品である『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(92)について、言葉をしたためていきたい。


 本作は、『ビバリーヒルズ・コップ』(84)や『ミッドナイト・ラン』(88)などのマーティン・ブレスト監督が、名優アル・パチーノを主演に迎えて手がけたもの。第65回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、主演男優賞にノミネートされ、アル・パチーノが見事最優秀主演男優賞を受賞。それまでに彼は『ゴッドファーザー』(72)、『セルピコ』(73)、『ゴッドファーザー PART II』(74)、『狼たちの午後』(75)などをはじめとし、数々の代表作でオスカーにノミネートされてきたが、いずれも受賞にはいたらず。本作『セント・オブ・ウーマン』にて、自身初のオスカーを手にすることとなった。


『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』予告


 アル・パチーノが好きかどうかは別として、彼を現代最高峰の俳優のひとりだと数えることに異を唱える方は少ないだろう。彼の出演作のほとんどを“後追い”で鑑賞してきた筆者にとって、賞の受賞などは個々の作品の情報に過ぎず、アル・パチーノの演技者としての凄みを立証する材料としてはあまり意味がない。むしろ、瑞々しい存在感が際立った初主演作『哀しみの街かど』(71)や、世界中の映画愛好者を魅了してやまない『スカーフェイス』(83)、ロバート・デ・ニーロとの対決が初めて実現した『ヒート』(95)などの方が、深く記憶に刻まれている。また個人的には、ジーン・ハックマンと共演した『スケアクロウ』(73)がオールタイム・ベスト級の一本であり、アル・パチーノが演じた“ライオン”は、もっとも好きな映画のキャラクターである。


 しかしやはり、『セント・オブ・ウーマン』で演じたフランク・スレード中佐役は、誰もが一度観たら忘れられないキャラクターだろう。そしてそれはそのまま、一度観たら生涯忘れられない映画『セント・オブ・ウーマン』とイコールで結びついている。




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