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『インファナル・アフェア』往年の香港映画の魂と熱量を取り戻した、歴史的傑作 ※注!ネタバレ含みます。

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『インファナル・アフェア』往年の香港映画の魂と熱量を取り戻した、歴史的傑作 ※注!ネタバレ含みます。

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※本記事は物語の核心に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


Index


香港映画の魂と熱量を取り戻す



 レオナルド・ディカプリオ&マット・デイモン主演、マーティン・スコセッシ監督によって映画化され、最優秀作品賞・監督賞・脚色賞・編集賞と、その年のオスカーにおいて4部門を制した『ディパーテッド』(06)。また、日本でも西島秀俊と香川照之共演により、ドラマ化されて話題を呼んだ「ダブルフェイス」(12)。このように日米でリメイクされただけでなく、初公開から20年近く経っても、未だ衰えることを知らない人気のサスペンス・アクション『インファナル・アフェア』(02)。


 「地獄の事柄」という英語題は造語だが、『無間道』という原題は、一度入ると抜け出せない、絶え間なく続く苦しみを指す仏教用語“無間地獄”を意味する。「ライバルにパクられないために、脚本がない」とか「アクションやギャグが主流のため、ストーリー性は二の次」など、これまであることないことを散々言われてきた香港映画界にあって、本作の存在は稀有に見えるかもしれない。


『インファナルアフェア』予告


 1991年・香港。ストリートで育った青年・ラウは、黒社会に入ってすぐに、組織の首領・サムによってその優秀さを見初められ、警察学校に送り込まれる。その一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年・ヤンは突然退学となり、ウォン警視に能力を見込まれ黒社会組織への潜入を命じられる。それから10年、2人はそれぞれの組織で台頭していくなか、ヤンは警官として苦悩し、ラウは組織を裏切り、善人になろうとしていた……。


 2人の主人公がお互いの組織に“潜入する”という、アラン・マックとフェリックス・チョンによる脚本が高く評価された本作だが、このような設定は決して斬新なものでない。ヤン役のトニー・レオンは公開当時に行ったインタビューでは、「僕の役柄は、『ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌』(92)で演じた役と基本変わらない」とハッキリ語っていた。また、企画段階から製作に携わっていたラウ役のアンディ・ラウも、本作の製作意図として「中国返還後の香港ではなかなか作りにくい、『男たちの挽歌』(86)のようなアツい男たちを描いた英雄映画(英雄片)を作りたかった」と語っていた。


 決して彼らは、『ジュラシック・パーク』(93)の公開を機に、衰退していた香港映画界に追い打ちをかけていたハリウッド大作に対抗すべく、オリジナリティ溢れる作品を目指したのではない。1980年代〜90年代前半にかけ、多くの人々を魅了した香港映画が持っていた魂と熱量を取り戻そうとしたのである。





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