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  4. あくまでストーリーを具現化する手段『セブン』の徹底されたビジュアルの理由 ※注!ネタバレ含みます。
あくまでストーリーを具現化する手段『セブン』の徹底されたビジュアルの理由 ※注!ネタバレ含みます。

あくまでストーリーを具現化する手段『セブン』の徹底されたビジュアルの理由 ※注!ネタバレ含みます。

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存在した3つのエンディング



 『セブン』は制作過程で3つのエンディングが検討されたという。一つ目はサマセットがジョン・ドウを撃つもの。二つ目はミルズがジョン・ドウを撃った後、そのまま画面が暗転して映画が終わる(エンドクレジットとなる)もの。そして三つ目は決定バージョンで、ジョン・ドウを撃ったミルズがパトカーで護送され、サマセットがヘミングウェイの引用を話すものである。


 サマセットが撃つバージョンは映画会社側が希望したという。ジョン・ドウが計画した七つの大罪は、憤怒の罪を犯すミルズがジョン・ドウを殺すことで完結してしまうのだが、せめてそれは阻止しようという意図に基づいている。バッドエンドを少しでも軽減しようというものだ。しかしこれはミルズを演じたブラッド・ピットが、「自分だったら絶対引き金を引く。あり得ない。」と反対した。結局この案は見送りとなった。


 二つ目の画面がすぐに暗転するバージョンは、監督のデヴィッド・フィンチャーが熱望したものだ。実際にそのバージョンで編集してテスト試写をしたところ、あまりに唐突なラストに混乱を受け止めきれない観客が続出、結果は散々たるものに。。この案も採用されることはなかった。


 このように紆余曲折を経て今のエンディングに落ち着くのであるが、フィンチャー自身は気に入っていないらしい。そもそもセリフに引用をすること自体が嫌いなのだとか。




 ちなみに、ラストの荒野でのヘリコプター空撮シーンは追加撮影したものだ。それまでの撮影で予算を使い切ってしまったフィンチャーは、仮編集を映画会社に見せて空撮カットの必要性をアピール、粘り強く交渉し追加予算を勝ち取った。しかし、ブラッド・ピットをはじめとする出演者はスケジュールが合わないため代役で撮影を敢行。しかも前回の撮影から数カ月以上経ってしまっていたため、緑だった平地は全て枯れて一面茶色に。。後処理で色調整を施して全てルックは茶色に統一したとのこと。余計な手間とお金のかかる追加撮影となってしまったらしい。


 また、撮影監督のダリウス・コンジもスケジュールNGだったため、代わりに『 ゲーム』『 ゾディアック』を担当したハリス・サヴィデスがこの空撮シーンを撮影している。なおハリスは、「高慢」の殺人報告電話を受ける911のテレフォンオペレーター役で、映画に出演もしている。



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