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『ニューヨーク1997』SFアクションの傑作を生みだしたジョン・カーペンターの淡白さ

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『ニューヨーク1997』SFアクションの傑作を生みだしたジョン・カーペンターの淡白さ

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マカロニ・ウェスタンからの影響



 まだ一介の若手だったカート・ラッセルを引き立てるため、脇は名優が固めた。アーネスト・ボーグナイン、リー・ヴァン・クリーフ、ハリー・ディーン・スタントン、ドナルド・プレザンスという、錚々たる顔ぶれだ。特に、スネークに任務を強要するホークを演じたリー・ヴァン・クリーフは素晴らしく、冒頭のスネークとの緊張感みなぎるやりとりは出色のシーンだ。


 そしてクリーフをキャスティングしたことやスネークのキャラクターからもわかるように、本作はマカロニ・ウェスタンを意識したことがうかがえる。その証拠に、スネークの人物造形は、マカロニ・ウェスタンでイーストウッドが演じてきたキャラクターをなぞっている。



『ニューヨーク1997』© 1981 STUDIOCANAL SAS - All Rights Reserved.


 ジョン・ウェインなどが全盛だった頃のアメリカの西部劇ヒーローは、無骨だが情に厚く、女性や子供を救う正義の存在だった。しかし、マカロニ・ウェスタンでイーストウッドが演じたのは、権威に屈せず、自分の価値観のみに従い行動するシニカルな男だった。元々、ハワード・ホークスなどの西部劇をこよなく愛していたカーペンターは、イタリアで更新された西部劇のヒーロー像を、逆輸入のような形で『ニューヨーク1997』に盛り込んだのだ。


 そんな新たなヒーローであるスネークは、その行動もアクション映画としてはいささか異質なものとなった。





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