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『ゴースト・オブ・マーズ』鬼才ジョン・カーペンターの不遇な快作、その凄みを掘り起こす!

(c)Photofest / Getty Images

『ゴースト・オブ・マーズ』鬼才ジョン・カーペンターの不遇な快作、その凄みを掘り起こす!

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『ゴースト・オブ・マーズ』あらすじ

舞台は西暦2176年、人類が植民地を築いている火星。地球を脱出し、火星に植民地を築いた人類は、64万人が辺境の地で生活を送っていた。彼らの主な仕事は、火星に豊富にある天然資源の採掘だった。火星警察の女性警部補メラニー・バラードは、隊長ブラドックの指揮の下、総勢5名で凶悪囚人ウィリアムズを護送する命を受ける。しかし、到着してみるとそこは無惨な死体が転がるゴーストタウンと化していた。生き残っていたのは牢獄にいるウイリアムズを含む数人の犯罪者だけだった……。


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ジョン・カーペンター再評価の波



 ここ数年、ホラー&アクションの鬼才ジョン・カーペンターに対するオマージュが、映画の中で多く見受けられる。ホラー史に残る『ハロウィン』(78)『遊星からの物体X』(82)は別格として、『ニューヨーク1997』(81)『ゼイリブ』(88)などのポスターが若いキャラクターの部屋に貼られていることに、再評価の波を感じているカーペンター・ファンは筆者だけではないと思う。これらの作品が作られた1980年代に、多感な子ども時代を過ごした世代が、現在の映画界を支えているのだから、ある意味当然かもしれない。


 ファンとして歯がゆいのは、1990年代以降の作品に、まだその波が訪れていないことだ。とりわけ不当とも思える評価を受けているのは、2001年の『ゴースト・オブ・マーズ』。いや、ある意味、仕方がないのは重々承知している。アメリカでは評論家に“懐古趣味””保守的”などと酷評されたのがケチのつき始め。本作の直前に『ミッション・トゥ・マーズ』(00)『レッド・プラネット』(00)と、同じ火星を舞台にした映画の公開が続いたことで割を食ったか、全米では2週間で上映が打ち切られるという惨敗に終わってしまった。


『ゴースト・オブ・マーズ』予告


 本国での悲惨な結果を受け、日本公開も一時は危ぶまれたが、全米から一年遅れで上陸。全米大コケ作品にしては、それなりのスマッシュヒットを飛ばした。筆者もこのタイミングで見たのだが、カーペンター・ファンの色眼鏡を抜きにしても、面白い!と感じた。本稿では、そんな不遇な作品に改めてスポットを当てつつ、カーペンターの意匠を探ってみようと思う。



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