
カルト SF映画の傑作『ゼイリブ』今もリスペクトされ、引用される理由とは?
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監督ジョン・カーペンター、謎のつぶやき
2017年1月、映画監督のジョン・カーペンターはツイッタ―に突如こんなコメントを投稿した。
―『ゼイリブ』はヤッピーと際限のない資本主義についての作品だ。ユダヤ人による世界征服の話ではない―
カーペンターは、なぜこんなコメントを投稿したのか。WIRED(US)に掲載されたブライアン・ラフテリーの記事によれば、それはネオナチに対する不快感の表明だったという。近年、『ゼイリブ』の画像やイメージをネット上でネオナチたちが流用しメッセージを拡散。中には『ゼイリブ』で描かれた宇宙人は、「世界を影で操るユダヤ人の暗喩」と解釈する陰謀論者、差別主義者までいるという。
『ゼイリブ』は、人類に紛れ込んだエイリアンを見分けるサングラスを手に入れた労働者ネイダが、エイリアンとの戦いに身を投じていくストーリーだ。エイリアンは、支配者層として君臨し、巧みに人類を洗脳する。「OBEY(服従しろ)」「眠っていろ」「物を買え」というメッセージをテレビや雑誌、ビルボードに潜り込ませて、地球人たちを知らぬ間に骨抜きにし、隷従させている。
荒唐無稽な設定だが、この作品はネオナチに留まらず、多くのアーティストからリスペクトされ、ポップアイコン的に扱われている。低予算のB級SF映画『ゼイリブ』は、何故ここまでの支持を集め、カルト映画となりえたのか。
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