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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』3つの偉大な才能によって生まれた、壮大なる西部劇へのオマージュ

(c)Photofest / Getty Images

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』3つの偉大な才能によって生まれた、壮大なる西部劇へのオマージュ

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冷酷無比な悪役フランク役を演じた名優ヘンリー・フォンダ



 『ウエスタン』最大のサプライズは、子供を撃ち殺すことも厭わない冷酷無比な悪役フランク役を、ヘンリー・フォンダに演じさせたことだろう。『荒野の決闘』(46)や『十二人の怒れる男』(57)をはじめ、“アメリカの良心”を演じ続けてきたこの名優が悪役を演じるのであれば、観客は衝撃を受けるだろう…そうレオーネは考えたのだ。


 実は、『荒野の用心棒』でクリント・イーストウッドが演じた“名無しの男”も、当初はヘンリー・フォンダがファースト・チョイスだった。しかし、正義漢としてのパブリック・イメージが損なわれると心配したエージェントが、送られてきた脚本をフォンダを見せることもなく、「彼は出演できません」と断りを入れる。そんな経緯があったにも関わらず、レオーネは雪辱戦とばかりに、よりリスクの高いフランク役をオファーしたのだ。


 アメリカを代表するこの名優は、“この映画に出演すべきか、出演せざるべきか”悩みに悩み、『続・夕陽のガンマン』でレオーネと仕事をしていたイーライ・ウォラックにアドバイスを求める。ウォラックの答えは、「You will have the time of your life(君はかけがえのない経験を得ることになるだろう)」。躊躇することなく、フォンダに出演することを強く薦めた。



『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』(c)Photofest / Getty Images


 熟考のすえ出演を決めたヘンリー・フォンダは、茶色のカラー・コンタクトレンズと口ひげを携えてイタリアに渡航。すでに彼の頭のなかでは、明確なフランクのルックが出来上がっていたのだ。しかしその姿を一目見るなり、レオーネはレンズを外すよう命じる。極端なまでにクローズアップを多用するレオーネは、茶色のカラコンではなく、ありのままの青い目をしたフォンダが悪役を演じるインパクトを重視したのだ。


 紆余曲折あって、レオーネ組に初めて参加したヘンリー・フォンダ。マカロニ・ウェスタンの父と称された男の仕事ぶりに畏敬の念を抱いた彼は、『夕陽のギャングたち』(71)のマロリー役を受けるべきか悩んでいたジェームズ・コバーンに、「これまで仕事をした中で、レオーネは最も偉大な監督の一人だ」と説得したんだとか。


 そして、ジルと共闘して鉄道王モートンと対決する謎のガンマン、ハーモニカ。セルジオ・レオーネは、この役にクリント・イーストウッドを考えていた。しかし彼はレオーネとの仕事にすっかり興味を失っていたため、このオファーを拒否。チャールズ・ブロンソンにお鉢が回ることになる。レオーネは、映画のオープニングでハーモニカを待ち受ける3人の殺し屋役に、イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、イーライ・ウォラックという、『続・夕陽のガンマン』主演三人衆をカメオ出演させるアイディアも持っていたが、結局コレも叶わず。もし実現していたら、本作を頂点としたレオーネ・ユニバースが完成していたことだろう。




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