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「ベガスのことはベガスに置いていけ」『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』が象徴するラスベガスとは

「ベガスのことはベガスに置いていけ」『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』が象徴するラスベガスとは

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『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』あらすじ

結婚式を2日後に控えた新郎ダグは、独身最後の夜を満喫するため、悪友のフィル、スチュ、義理の弟アランとラスベガスへ。高級ホテルのスイートでしこたま酒を浴び、バカ騒ぎする男たち。しかし、翌朝二日酔いから目覚めると、部屋は滅茶苦茶、花ムコの姿は消え、代わりに一頭の虎と赤ん坊が部屋の中に―。昨日の記憶が全くない!!一体、昨夜彼らに何が起きたのか?結婚式は明日。婚約者からは頻繁に電話がかかってくる。重大な事態が起こっていることを彼女に内緒にしたまま、24時間以内に花ムコを無事探し出し、結婚式に連れて行くことはできるのか?時間とのプレッシャーの中、男たちは、無い知恵を振り絞って、とんでもない証拠品だけを頼りに絶望的な捜索を開始する!!!


Index


“享楽の街”ラスベガスを作った男のロマン



 アメリカ最大のカジノシティ、ラスベガスは、その成り立ちからして映画と密接な関係にあった。そして人の欲望を吸収しながら、時代に合わせてその姿を常に変化させている。映画でラスベガスの“現在”を描こうとしても、映画が完成する頃には既にラスベガスが別のフェーズに入っていて、とてもじゃないが追いつけない。とはいえ、近年のラスベガスを最も表している映画は『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009)ということになるだろう。


 実際、ラスベガスのカジノに行けば『ハングオーバー!』のキャラが登場するスロットマシンが今も稼働しまくっているし、一作目と三作目に登場したシーザーズ・パレス・ホテルの売店では『ハングオーバー!』のグッズがズラリと並んでいる。数ある“ラスベガス映画”を振り返りながら、『ハングオーバー!』がいかに今現在のラスベガスという街を象徴しているのかを考察してみたい。




 ラスベガス=巨大カジノリゾートが建ち並ぶ享楽の街、というイメージだが、その礎を作ったのは“バグジー”とあだ名されたギャング、ベンジャミン・シーゲルだったことはよく知られている。シーゲルの伝記映画『 バグジー』(1991)ではウォーレン・ビーティが監督と主演を兼ねて、ラスベガス初の巨大カジノリゾートを作った男の成功と転落を描いている。


 ラスベガスには、バグジーが目を付ける以前にもカジノがあった。ネヴァダ州ではギャンブルが合法だったので、ダウンタウンに行けばカジノが並んでいたのだ。しかしバグジーはダウンタウンから離れた砂漠の真ん中に、ギャンブルとエンタメショーを提供する大型リゾートを作ろうと思い立つ(史実では、建設が中断していたホテルを引き継いだらしい)。今でもラスベガスの中心地で営業しているカジノホテル「フラミンゴ・ラスベガス」はバグジーの夢の結晶として1946年にオープンしたものだ。


 バグジーはハリウッドのセレブとも親しく、彼らを呼び寄せて、鳴り物入りでエンタメショーを上演するという現在のラスベガスの原型が既にできあがっていた。ところが贅を尽くして大量の資金を投入したのに思うように利益が上がらず、しかもピンハネを疑われたバグジーはマフィア組織から粛清されてしまう。そしてフラミンゴの経営は組織から新たに派遣されたモー・セドウェイとガス・グリーンバウムの手に移る。映画『ゴッドファーザー』に登場するラスベガスの大物モー・グリーンはこの2人の名前が由来になっている。


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