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サイモン&ガーファンクルの名曲から読み解く『さよなら、僕のマンハッタン』

サイモン&ガーファンクルの名曲から読み解く『さよなら、僕のマンハッタン』


映画に華を添える60~70年代の名曲たち



 ちなみに、本作では他にも60年代の終わりから70年代にかけての名曲がいくつも登場する。たとえば隣人の男が室内に響かせる楽曲はルー・リードの”Perfect Day”。1972年に発表されたこの曲は「“あなた”の存在がいかに自分に“完璧な日”を味わせてくれるか」を歌っている(愛の歌とも、ドラッグの歌とも言われている)。



 また結婚式の場面では、プロコル・ハルムが1967年に発表し、クラシック曲を思わせるオルガンの響きが極めて印象的な”A Whiter Shade of Pale”が流れる。



 さらに本作で最も重要な、疾走感あふれる場面ではボブ・ディランが1966年に発表した7分半に及ぶ大作” Visions of Johanna”のオルタナティブ・バージョンが流れる(奇しくもケイト・ベッキンセール演じる“年上の女性”の名もジョアンナだ)。いずれの楽曲にも共通するのは、歌詞の言葉に暗喩が込められ、いわゆる「これが答えだ!」的な解釈が成り立たないところ(だからこそ映画に意味深な雰囲気をもたらしてくれるのかも)。そしてこれらは、本作で幾度も語られる“過ぎ去りしゴールデン・エイジ”を懐かしく彷彿させる一要素としても大きな役割を果たしている。


 となると、エンディングで流れるザ・ヘッド&ザ・ハートの”All We Ever Knew”は、さながら現代の側から過去、そして未来に向けて照射される一筋の光といったところか。このコントラストが実に気持ちのよい後味をもたらしてくれる。



 さすがミュージックビデオ界から映画界へと進出したマーク・ウェブ監督。本作はまさに彼らしく、音楽がらみの糸口を数多く提示した作りで我々を魅了してくれる。鑑賞中はその流れに身を任せ、鑑賞後にはあえてその歌詞や制作背景にじっくりとあたってみることで、物語を多元的に、より深く味わうことに繋がっていくのかもしれない。


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『さよなら、僕のマンハッタン』

4月14日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国順次公開

© 2017 AMAZON CONTENT SERVICES LLC

提供:バップ、ロングライド 配給:ロングライド

公式サイト: http://www.longride.jp/olb-movie/

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