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iPhoneから35mmフィルムカメラへ、変幻自在の撮影方法がもたらす映像力『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』

iPhoneから35mmフィルムカメラへ、変幻自在の撮影方法がもたらす映像力『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』


題材や予算ごとに、最善の撮影方法を模索する映画術



 ここで気をつけておきたいのは、ショーン・ベイカー監督が決して35mmのみを信奉するフィルムメーカーではないということだ。ニューヨーク大学の映画学科を卒業した彼は、むしろあらゆる撮影方法に対してオープンなクリエイターであり、作品ごとに描く世界観であったり、予算であったり、そういった様々な条件を考慮した上で、何が最善の撮影方法なのかを決める。




 そんな彼のスタンスを知る上で好例と言えるのが『フロリダ・プロジェクト』の一つ前に撮られた『 タンジェリン』だろう。ロサンジェルスのストリートに生きるトランスジェンダーの女性たちの愛と友情を描いた本作は、なんと3台のiPhoneを使って撮影された。スマートフォンの動画機能の向上によって誰もが映像作家となることが可能となった現代だが、しかしそれにしてもベイカー監督の撮影はさすが。洗練されたプロの技と編集技術が光り、ノンストップの疾走感と主人公たちのやり取りや息遣いに寄り添うように、極めて有機的な世界が醸成されているのが印象的だ。


 ベイカー監督によると、『タンジェリン』のiPhone撮影を決断した理由はあくまで予算的なものだったそうだが、しかし結果的に見れば思いがけない効果が得られたという。例えば、誰もが見慣れたiPhoneによる撮影は、演技初心者のキャストたちに余計なプレッシャーを与えない意味でも有効だったし、もちろん狭い空間での撮影や人通りの多い街路での撮影にもうってつけだったそう。他にも、ストリートならではの、目の前で起こっていることを「目撃」している臨場感を生み出すことができる点もまた、極めて大きなメリットと言えるだろう。



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