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『ハスラー2』ポール・ニューマンvsトム・クルーズ、スコセッシが手掛ける“究極のスター映画”

(c)Photofest / Getty Images

『ハスラー2』ポール・ニューマンvsトム・クルーズ、スコセッシが手掛ける“究極のスター映画”

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『ハスラー2』あらすじ

あのミネソタ・ファッツとの死闘から25年、かつてのトップハスラー、エディ(ポール・ニューマン)は現役を離れ、酒のセールスマンをしていた。そんなある日、エディは若いハスラー、ヴィンセント(トム・クルーズ)に出会う。次々と相手を打ち負かすヴィンセントに、エディは若い頃の自分の姿を見出し、彼にプロのあらゆるテクニックを叩き込むことを決心する。


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名ハスラー、エディ・フェルソンの25年後を描いたヒット作



 ハリウッドの大スター、ポール・ニューマンにとって、『ハスラー』(61、ロバート・ロッセン監督)はキャリアにおける代表作の1本となった。そして、この映画で演じた賭博師(ハスラー)、エディ・フェルソンのその後を描いた『ハスラー2』が、マーティン・スコセッシ監督の手で86年に作られた。エディの25年後を描いた作品で、彼は50代という設定だ。


 前作でエディは伝説の勝負師、ミネソタ・ファッツ(ジャッキー・グリーソン)と死闘を見せる。そんなエディの才能を見抜いたプロモーターのバート・ゴードン(ジョージ・C・スコット)は、彼に資金を提供し、狡猾な態度でエディを操り、ファッツとの新たな勝負に備える。才能と運がからまりあうプールバーでのゲーム場面を丹念に重ねることで、人生と運の関係についても考えさせられる。本作はそんな奥深い名作になっていて、ニューマンはオスカー候補となっている。



『ハスラー2』(c)Photofest / Getty Images


 アメリカ映画の反逆児の歴史を追った本“Rebels:The Rebel Hero in Films”(The Citadel Press刊、ジョー・モレラ、エドワード・Z・エプスタイン著)の中で、エディの人物像はこう定義づけられている。「ニューマンは『ハスラー』では反抗的なアンチ・ヒーローを演じ、この時代のこうした人物像の先駆け的な存在となった」


 スコセッシにとっても『ハスラー』は忘れがたい映画の1本で、ポール・ニューマン経由で続編を製作する話が来た時は、思い切って引き受けた。ニューマンはスコセッシの『レイジング・ブル』(80)がすごく気にいり、作品をたたえる手紙を彼に出したこともあったという。


 当時の監督は『キング・オブ・コメディ』(82)が興行的に失敗し、『最後の誘惑』の製作もうまくいかず、低予算の佳作『アフター・アワーズ』(85)のささやかな成功で、なんとか、前に進める状態だった。そんな彼にとって『ハスラー2』は(商業監督として)起死回生のチャンスとなる。


 ロバート・デ・ニーロのように、無名時代から仲間としてつきあってきた男優が人気スターになったケースはあったものの、ハリウッドを代表する大物スターとの仕事は監督にとって初めてで、「究極のスター映画」を撮るという新たなチャレンジに挑むことになったのだ。




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