2017.08.19
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Mr.ビーンとリチャード・カーティスは固い絆の盟友どうし
先日、90年代の「Mr.ビーン」を見る機会があり、思わず「おお!」と声を上げてしまった。手をブラブラさせる奇妙な動き、シットコム特有の観客の甲高い笑い声に、最初は「懐かしさ」をほんのひと嗅ぎするつもりが、いつの間にか胸いっぱいに吸い込みすぎて、結局のところ私は笑い泣きしながら最後まで観続けてしまった。そしてエンドロールでビーンが光に包まれてシュッと吸い込まれていく傍ら、とある人物の名前が表示されるのを見逃さなかった。
「リチャード・カーティス」
そう、今や紛れもなく英国を代表する脚本家であり、映画監督(本人は2013年の『アバウト・タイム』をもって監督業は引退したと語っている)でもあるカーティス。ご存知の方も多かろうが、彼はオックスフォード大学在学時に、のちにMr.ビーンとして世界中に知られる存在となる俳優ローワン・アトキンソンらとチームを組み、コメディ執筆に多大なる情熱を燃やしてきた。
『ラブ・アクチュアリー』予告
そんな彼が、総勢20人以上が入り乱れる群像劇『ラブ・アクチュアリー』で監督デビューするにあたって、盟友ローワン・アトキンソンを出演させたことは、本作の絶妙なるスパイスであると同時に、TVで「Mr.ビーン」を観て育ったファンにとっても嬉しいサプライズだった。もっとも今回のアトキンソンの役柄は「ビーン」ではなく、あくまで「ルーファス」という全くの別人格ではあるのだが。