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アクション映画を高度な次元へと押し上げた『ダイ・ハード』の功績を探る!

アクション映画を高度な次元へと押し上げた『ダイ・ハード』の功績を探る!

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ヤン・デ・ボンが筆者に語った『ダイ・ハード』撮影秘話



 2003年、筆者(尾崎)は『 トゥームレイダー2』プロモーションで来日したヤン・デ・ボンにインタビューをする機会に恵まれた。そこで『ダイ・ハード』について話題を向けたところ、いくつか興味深い答えをもらっている。例えばマクティアナンからの絶大な信頼を得ていた彼は、自身が演出を任された場面もあったと述懐したのだ。


 代表的なのはマクレーンと出会ったハンスが手下に銃撃を指示し、ガラスというガラスを撃ち、裸足のマクレーンに重傷を負わせるシーンはデ・ボンが演出を手がけている。こうしたアプローチが後にキアヌ・リーブス主演のノンストップアクション『 スピード』(94)を初監督する流れへと繋がっていったのである。




 また、マクティアナンは本作でヴェートーヴェンの交響曲第9番・第四楽章「歓喜の歌」と、ジーン・ケリーによるミュージカルナンバー「雨に唄えば」を音楽のモチーフとして引用しているが、これは両曲が使われている近未来バイオレンス映画『 時計じかけのオレンジ』(71)への目配りであり、同作の監督であるスタンリー・キューブリックに対する敬意を含んでいる。デ・ボンはこの趣に満ちた「キューブリック・オマージュ」をマクティアナンと共犯意識をもって臨み、競い合うように披露してきたという。


 事実、先に挙げた『スピード』では、暴走車両が地上に乗り上げたさい、停止したチャイニーズ・シアターに『 2001年宇宙の旅』(68)上映中のボードが掲げられていたり、またストーム(竜巻)チェイサーの活躍を描いた『 ツイスター』(96)では、ドライブインシアターで上映中の映画が古典ホラー『 シャイニング』(80)といった具合だ。


 いっぽうマクティアナンは、シリーズ復帰した『 ダイ・ハード3』(95)劇中において、行進曲「ジョニーが凱旋するとき」を引用している。同曲はブラックコメディ『 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(64)で、キューブリックが効果的に使用したものだ。


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