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スーパーの詰め放題サービスのような作品!(もちろんほめ言葉)
日本アニメの「日光東照宮」。
『ニンジャバットマン』をどう言い表そうかと考えた時、浮かんだ言葉だ。日光東照宮は徳川家康を祀った神社で色とりどりの装飾が特徴。中でも目を引くのが入り口にある陽明門だ。・・・と、紀行文のようになってしまったが、陽明門は数百におよぶ色とりどりの彩色彫刻が配置され、バランスを失いかねない「過剰」さで彩られながらも、建築物として不思議とまとまっている。『ニンジャバットマン』はこの陽明門のように「過剰」で絢爛豪華だ。しかし陽明門という例えはお上品に過ぎるかも知れない。もう一つ例えを重ねるなら、『ニンジャバットマン』は「スーパーの詰め放題サービス」だ。85分というタイトなランニングタイムの中に日本アニメの、デザイン、動き、演出の良質な部分を極限まで濃縮し、ぐいぐいと袋一杯に詰め込んでいく。クライマックスのはるか手前で袋は破れかけていて、観ているこちらは「お母さん、もう入らないよ!」と横で心配する子供の気分だ。
なぜ、こんな「スーパーの詰め放題サービス」のごとき作品ができあがったのか。プロデューサーの里見哲朗は自身の ツイッタ―でこうつぶやいている。
「ふつうスタッフを決めるときアクセル役とブレーキ役を組み合わせるところ、今回はアクセル役だけでチームを固めて、スタッフのみなさんがいつもどおり自然体でアクセルを全力で踏み続けた結果なので「ニンジャバットマン」は無理に過剰にしてるわけではなく単にブレーキを踏むひとがいないだけですね」