1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ダム・マネー ウォール街を狙え!
  4. 『ダム・マネー ウォール街を狙え!』デジタルネイティブが起こす新時代の革命
『ダム・マネー ウォール街を狙え!』デジタルネイティブが起こす新時代の革命

© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.

『ダム・マネー ウォール街を狙え!』デジタルネイティブが起こす新時代の革命

PAGES


『ダム・マネー ウォール街を狙え!』あらすじ

コロナ禍まっただ中の2020年。米マサチューセッツ州の平凡な会社員キース・ギル(ポール・ダノ)は、全財産の5万ドルをゲームストップ株につぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売するゲームストップ社は業績が低迷し、倒産間近のボロ株と見なされていたが、キースは赤いハチマキを巻き、ネコのTシャツ姿の“ローリング・キティ”という別名義で動画を配信し、この株が著しく過小評価されているとネット掲示板の住民に訴える。すると、キースの主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、2021年初頭に株価はまさかの大暴騰。同社を空売りしてひと儲けをもくろんでいた金融業界の大富豪たちは巨額の損失を被った。やがてSNSに集った無力な一般市民が、この世の富を独占するウォール街のエリートに反旗を翻したこのニュースは、連日メディアをにぎわせ、全米を揺るがす社会現象に発展。しかし一躍、時の人になったキースの行く手には、想像を絶する事態が待ち受けていた……!


Index


実際にあった「ゲームストップ株騒動」



 新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界規模で人々の生活が変化を余儀なくされていた2021年。アメリカの株式市場にも、ある奇妙な変化が起こっていた。多くの投資家が倒産すると見込んでいた、ゲームの小売り業を営む企業「ゲームストップ」の、下落傾向にあった株価が突如として急騰し、市場価値が大きく上昇したのである。


 そんな「ゲームストップ株騒動」の裏にあった意外な事実を、『ソーシャル・ネットワーク』(10)の原作者でもあるベン・メズリックのノンフィクション書籍を基に映画化したのが、本作『ダム・マネー ウォール街を狙え!』(23)だ。



『ダム・マネー ウォール街を狙え!』© 2023, BBP Antisocial, LLC. All rights reserved.


 この騒動の中心にいたのは、ポール・ダノ演じるキース・ギルという、30代の平凡な会社員の“YouTuber(ユーチューバー)”だった。彼は配信動画のなかで、猫のTシャツを着てハチマキを巻いて、「ローリング・キティ」というユニークな名前で、自分の“持ち株”を視聴者に公開しながら株式投資のチャンネルを運営していくとともに、ネット掲示板「Reddit(レディット)」でも盛んに書き込みをおこなっていた。


 キースがクレイジーだったのは、前述した倒産寸前の「ゲームストップ」株に注目し、全財産の5万ドルを投入していたというところだ。彼は、この株は市場であり得ないほどに“過小評価”されているとうったえる。そして視聴者やネットユーザーに、同じくゲームストップ株の購入を薦めるのだった。


 この株が低評価されている裏には、「ヘッジファンド」の動きがあった。「ヘッジファンド」とは、法人によって運営される「機関投資家」や富裕層の投資家たちの集まりだ。この集団が、「ゲームストップ」株の「空売り」を仕掛けていたのである。




PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. 映画
  3. ダム・マネー ウォール街を狙え!
  4. 『ダム・マネー ウォール街を狙え!』デジタルネイティブが起こす新時代の革命