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『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』瞬間的に最高の輝きを放ったキャスト、新たな地平を切り開いたキャスト

『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』瞬間的に最高の輝きを放ったキャスト、新たな地平を切り開いたキャスト

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現代にアピールする「多様性」を、すでに体現していたエイミー・マディガン



 トム・コーディの宿敵、レイヴェンで強烈なインパクトを残したウィレム・デフォー。残念ながら2017年に亡くなったが、出番もわりと多いバーテンダーを演じ、この後の『 ターミネーター』につながったビル・パクストン。そして現場で軽いノリだったため、マイケル・パレに嫌われたというリック・モラニスなど、『ストリート・オブ・ファイヤー』は俳優たちのブレイクのきっかけを作ったわけだが、中でも今も語り継がれるのは、エイミー・マディガンではないだろうか。




 悪者に捕らわれた、かつて愛したエレン・エイムを救出しようとするトム・コーディ。そこに手を貸す、元陸軍の車両係という設定のマッコイ。映画を観ていなければ、明らかに男性キャラだと思い込んでしまうが、マッコイは女性である。もともとエイミー・マディガンは、トムを町に呼び戻すエレン・エイムの姉をオファーされ、脚本の読み合わせまで行った。その時点で、マッコイはヒスパニック系の兵士という設定で、『 ブレードランナー』でガフ刑事を演じたエドワード・ジェームズ・オルモスが予定されていた。しかし何としてもマッコイをやりたいというマディガンの強い意思は、役の性別を変えるという大転換をもたらした。




 もちろん『ストリート・オブ・ファイヤー』以前にも、たとえば『 エイリアン』のように戦うヒロインは登場していた。しかしマッコイ役が斬新だったのは、一切「女性」であることを感じさせなかった点だ。トム・コーディに協力しながらも、男女の恋愛感情は皆無。かと言って、レズビアンというわけではない。女性でありながら、ここまで性別やセクシュアリティを意識させないキャラクターは公開当時、じつに新鮮であり、『ストリート・オブ・ファイヤー』を観た人の心に強烈な印象を残した。


 演じたエイミー・マディガンのターニングポイントになっただけでなく、映画界で何かと「多様性」が叫ばれる現代にも、このマッコイ役は34年の時を超えてアピールする。男であるとか、女であるとかを軽々と超越し、まさしく多様性の象徴ではないか。エイミー・マディガンの直訴は、『ストリート・オブ・ファイヤー』の、いつまでも色褪せない魅力に大きく寄与したのである。



文:斉藤博昭

1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。スターチャンネルの番組「GO!シアター」では最新公開作品を紹介。



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ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版

7月21(土)シネマート新宿ほかダイナマイトロードショー!以降全国順次公開

©1984 Universal Studios. All Rights Reserved.


※2018年7月記事掲載時の情報です。

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