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『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』瞬間的に最高の輝きを放ったキャスト、新たな地平を切り開いたキャスト

©1984 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』瞬間的に最高の輝きを放ったキャスト、新たな地平を切り開いたキャスト

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影武者がスクリーンで一瞬の栄誉に浴した



 もう一人、『ストリート・オブ・ファイヤー』で一瞬の輝きを放ったキャストがいる。ストリート・ギャングの溜まり場であるバーのシーンにダンサー役で登場する、マリン・ジャハンだ。彼女は今作の直前に公開された話題作『 フラッシュダンス』にも出演していた。とはいえ、クレジットにその名は載っていない。主演ジェニファー・ビールスの“ダンス・ダブル”を務めたからだ。『フラッシュダンス』を観ると、ダンスシーンでは顔のアップなどはビールスが演じているが、実際に踊っている全身のカットではカメラが引き、顔がよく見えない。「本人は踊っていない」という事実は公開当時から知れ渡っていた。ビールスの“影武者”は男性も含めて3人いて、メインで踊っていたのが、マリン・ジャハン。


『フラッシュダンス』予告


 当時、あれだけの革新的ダンスを踊りながら、顔や名前が世に出ないことで、彼女には同情も集まっていた。そんな映画ファンの鬱憤を晴らしてくれたのが、『ストリート・オブ・ファイヤー』でもあった。2作のダンスを観比べると、その動きの共通点から同じダンサーだというのがよくわかる。マリン・ジャハンはその後、1987年のスーパーボウルのハーフタイムショーなどに出演したが、現在その活動は不明。スクリーンで一瞬の輝きを放ったのが、『ストリート・オブ・ファイヤー』なのである。



『ストリート・オブ・ファイヤー デジタル・リマスター版』©1984 Universal Studios. All Rights Reserved.


 その他のキャストでは、子役から活躍していたダイアン・レインが、人気シンガーのヒロイン、エレン・エイム役で大人の女優へと鮮やかに変身。当初、ウォルター・ヒル監督はこの役を28歳くらいに想定しており、オーディション時に18歳だったレインを、監督は一旦断っている。しかしレインは、ロックン・ロールのスターをイメージしたレザーとメッシュの衣装でオーディションに挑み、監督を説得したという。そこには、直前に『 アウトサイダー』『 ランブルフィッシュ』で彼女を起用した、フランシス・F・コッポラのアドバイスが生かされた。「ダイアン、きみは年齢以上の役をやるべきだ」。『ストリート・オブ・ファイヤー』の直後に、ダイアン・レインはコッポラの『 コットンクラブ』の現場へ向かい、大女優のキャリアを積み上げていくことになる。



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