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『小さな恋のメロディ』まるで映画のために書かれたようなビージーズの曲の数々に、時を超えて心震える

『小さな恋のメロディ』まるで映画のために書かれたようなビージーズの曲の数々に、時を超えて心震える


初恋の世界を、歌詞でノスタルジーを喚起する



 『小さな恋のメロディ』とビージーズの既存曲の相性は、誰も認めるところだろう。「イン・ザ・モーニング」は文字どおり、ロンドンの朝をバックに一日が始まる冒頭で流れ、映画が「始まる」ことを意識させる。


 そして「メロディ・フェア」である。主人公のメロディの名前がそのまま曲のタイトルに入っており、おそらく「曲ありき」でヒロインの名前が決まったとも考えられる。


Melody fair, won’t you comb your hair?

You can be beautiful too.


かわいいメロディ 髪をとかしてごらん

もっときれいになれるから


 この歌詞とともに、ロンドン、ランベス区で撮影された住宅街を歩くメロディを、カメラが愛でるように追って行く。自宅からこっそり持ち出した衣類と金魚を交換し、その金魚が入ったビンを持った彼女が、昼間からパブに入り浸る父親を訪れる流れは、『小さな恋のメロディ』でも最高に映像と音楽がマッチしたシーンといえるだろう。




 メロディ役、トレイシー・ハイドの可憐さ(いい意味での、ちょっとダサめの少女感)や、父との関係などメロディの心情を鮮やかに伝えているのだから。『小さな恋のメロディ』における「メロディ・フェア」は、大げさにいえば、映画史上に残るキャラクターと曲のマッチではないか。


 「ラヴ・サムバディ」は、運動会の徒競走でメロディを思い浮かべながら全力疾走するダニエルの「誰かを好きになった」昂揚感を表現する。


There’s a way everybody said

To do each and every little thing

 but what does that bring

If I ain’t got you


誰もが説教したがる 正しい生き方について

でも何の意味もない 君と一緒に生きられないのなら


 映画のテーマを伝えるという意味で、この「ラヴ・サムバディ」は、「メロディ・フェア」以上のインパクトを放っているのだ。そしてもうひとつの作品の重要なテーマである「友情」は、「ギヴ・ユア・ベスト」が代弁している。


I used to start where everybody ends.

But I just give my best to mu friends.


皆が去っていっても 僕だけは違う

大切な友達には すべてを与えるよ


 ダニエルと友人のトムが、学校帰りにロンドンの中心部へ遊びに行くという、単純に考えれば無邪気なシークエンスなのだが、この歌詞とともに流れることで、突然生まれた二人の友情が、この後、生涯続くような錯覚をおぼえさせ、胸が熱くなる。「ギヴ・ユア・ベストは、ダニエルとメロディが学校をサボって遊園地で遊ぶシーンにも、もう一度流れる。




 そして激しく心を締めつけるのは、ダニエルとメロディが、ロンドン郊外のブロンプトン墓地で初々しいデートをするシーンでの「若葉のころ」ではないか。


When I was small and Christmas trees were tall

We used to laugh while others used to play

Don’t ask me why the time has passed us by


僕らは小さく モミの木は大きかった

君と僕は恋をしていた

理由は聞かないで あれは もう昔




 この「若葉のころ」だけでなく、ビージーズの歌詞に頻出する「used」という単語は、「あの頃、そうだった」という思いを喚起させる。大人の観客が、主人公の子供たちに自分を重ね合わせ、無意識にノスタルジーを刺激している気もするのだ。



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