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『そして彼女たちは』5つの軌跡が揺るぎない感動を呼ぶ、巨匠ダルデンヌ兄弟の到達点

ⓒLes Films du Fleuve - Archipel 35 - The Reunion - France 2 Cinéma - Be Tv & Orange - Proximus - RTBF (Télévision belge) / PhotoⓒChristine Plenus

『そして彼女たちは』5つの軌跡が揺るぎない感動を呼ぶ、巨匠ダルデンヌ兄弟の到達点

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キャリア初となる群像劇



 ご覧の通り本作は、幾人もの主人公たちが集い合う”群像劇”というスタイルを持つ。もともとダルデンヌ兄弟は一人の登場人物(ジェシカ)に焦点を当てた作品を構想していたが、リサーチのためにリエージュ近郊の母子支援施設を見学した折、この場所に広がる共同生活の風景に強く惹きつけられた。


 その後改めて長く滞在し、一人一人の若い母親たちの人生に触れる中で、シングルマザーとして直面する悩みや葛藤を、5人(その中の一人はごく短い登場だが)の群像劇として描くことに決めた。



『そして彼女たちは』ⓒLes Films du Fleuve - Archipel 35 - The Reunion - France 2 Cinéma - Be Tv & Orange - Proximus - RTBF (Télévision belge) / PhotoⓒChristine Plenus


 ダルデンヌ兄弟がこの手法に挑むのはキャリア初。その上では、支援施設という場所や群像劇の構造そのものがメインとなってしまわぬよう、あくまで一人一人の少女やその子供に寄り添い、5人のポートレートとなるよう心がけたという。


 とあるインタビューによると、兄弟は製作時に『赤線地帯』(56)を何度も見て参考にした部分もあったとか(*1)。言わずと知れたこの溝口健二の代表作は、戦後の吉原を舞台に、ここに建つ一軒のお店「夢の里」で働く女性たちの境遇を入れ替わり立ち替わりで描いた群像劇だ。なるほど、過度な演出を削ぎ落とした上で人から人へと流れるようにキャラクターが切り替わる『そして彼女たちは』の語り口には、確かにこれと共通するものが感じられる。




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