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『ソング・サング・ブルー』トリビュートバンドへのアンセム、共に歩んだ夫婦の愛の讃歌

© 2025 Focus Features LLC. All rights reserved.

『ソング・サング・ブルー』トリビュートバンドへのアンセム、共に歩んだ夫婦の愛の讃歌

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アメリカ国民の希望の象徴、ニール・ダイアモンドの実像



 そんな国民的愛唱歌を世に放ったニール・ダイアモンドは、移民一家の第三世代としてニューヨークのブルックリンで生まれ育ち、後にアメリカ国内だけで実に5,000万枚以上のレコードセールスを打ち立て、2011年にロックンロールの殿堂入りを果たした人物。言い換えれば、アメリカ国民の夢と希望の象徴だったことが、本作『ソング・サング・ブルー』が持つパワーの源になっている点は見逃せない。それはライトニングとサンダーが目指した世界と重なるからだ。


 ライトニングを演じるヒュー・ジャックマンが、これまで培った歌手としてのキャリアを活かし、夢を掴み取ろうとする男の情熱を自然に体現している。こんなに土臭いジャックマンは見たことがないと思えるほど。ダイアモンドに寄せたロングヘアと長いもみあげはヘアメイクの力技だが、実物のライトニングはもっとダイアモンドに似ている。できればネットで検索してみてほしい。まるで、本物に近づきたい気持ちがルックに現れたかのようだ。



『ソング・サング・ブルー』© 2025 Focus Features LLC. All rights reserved.


 ニール・ダイアモンドのトリビュートに専念する前、ライトニングはエルヴィス・プレスリーの物真似でステージに立っていた時期が長かったという。2003年のインタビューで、ライトニングは次のように語っている。「それが僕のニッチ(あまり知られていない事実)なんだ」と。そんなライトニングが、サンダーとの出会いによってダイアモンドのトリビュートという進むべき道を見つける。


 これは、ある時代を彩ったトリビュートバンドへのアンセムであると同時に、共に苦難を乗り越えた夫婦の物語でもある。映画の軸足は後者の方にある。何しろ、サンダーを演じるケイト・ハドソンが、ステージでは側に寄り添い、家庭でも夫と家族を支え続けるヒロインとして、圧倒的な魅力を放っているのだ。悲劇を乗り越え、再び笑顔を取り戻し再起していく姿は、さながら太陽のよう。サンダー役はハドソンにとって『あの頃ペニー・レインと』(00)以来の当たり役であることは間違いない。演技以前の、生まれ持った個性が役柄に活きた好例であり、アカデミー主演女優賞候補入りも頷ける。





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