ファッションとの連動も抜かりなく
ファッションとの連動。それは本作には欠かせない重要な要素だ。劇中でアンディは各種ヴィンテージや映画『アニー・ホール』(77)のメンズライクなベストに代表されるジェンダーレスなアイテム、そして、シースルーのレイヤードルック、カラーブロックのサマードレス等、前作で“シンデレラ物語”を紡いだシャネルやミュウミュウとは一味違う、大人コーデでキャラクターの成長ぶりを表現している。
そのアンディ以上に攻めているのはミランダだ。今回のミランダはベージュのコート(イタリアのハイブランド、サスファイ)と同色のサングラス(ティファニー)を粋にカラーコーデする等、特にリアルクローズでカリスマぶりを発揮。また、見間違えるほどのパワーウーマンとして再登場するエミリーが纏う、コルセットとパンツが放つ戦闘意識にも目を奪われる。アンディの衣装コーディネーターでもあるナイジェルが見せるスーツのバリエーションは、枯れたくないオヤジたちの教科書だ。

『プラダを着た悪魔2』© 2026 20th Century Studios. All Rights Reserved
今回、前作のパトリシア・フィールドに代わって衣装コーディネーターを託されたモリー・ロジャースは、前作でフィールドのアシスタントを務めた人物。ロジャースはオリジナルに敬意を表しつつ、演じるハサウェイやストリープのアイディアを取り込みながら、ファッションムービーとしての魅力満載だった前作の続編に相応しいコーディネートを披露している。ロジャースによると、作品の知名度がアップした分、前作の時に比べてハイブランドが衣装提供に協力的だったことも好材料だったらしい。
映画のハイライトはミランダがナイジェルを従えて財政上の事情でエコノミークラスに同乗し、向かった先のミラノでドルチェ&ガッバーナの新作コレクションショーのフロントローに遅れて着席するシーン。そこはVIPだけが座ることを許された特別席だ。この場面は実際に2025年のミラノ・ファッションウィークにカメラを持ち込み、テイクしたもの。カメラはショーを終えてメディアに囲まれるドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナ、そしてランチするドナテラ・ヴェルサーチ等、カメオ出演しているミラノファッションの顔たちを捉えていて、その臨場感は半端ない。