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神の視点を持つ監督ヴィルヌーブと鬼才脚本家テイラー・シェリダンが生み出す、虚構と現実の『ボーダーライン』

神の視点を持つ監督ヴィルヌーブと鬼才脚本家テイラー・シェリダンが生み出す、虚構と現実の『ボーダーライン』

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まるで別の惑星に飛ばされたような“麻薬戦争映画”の怪作



 “麻薬戦争”をモチーフにした映画はフィクション、ドキュメンタリー共に数多くあるのだが、『ボーダーライン』(2015)ほど異様な印象を与える作品も珍しい。その理由はひとつではないが、まず映像と音の組み合わせ方が尋常ではない。“国境”を意味する邦題通りにアメリカとメキシコの国境地帯を舞台にしており、その荒涼とした景色を、まるで別の惑星でもあるかのようにマクロな視点で映し出しているのだ。

 

 

  特に顕著なのが、“神の目線”を思わせる真上から見下ろす俯瞰映像。これは本作以外にも、『複製された男』(2014)や『ブレードランナー2049』(2017)など多くのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作で見られ、もはやトレードマークに近い。本来、麻薬戦争は欲と暴力にまみれ、地べたで起きるものなのだが、ヴィルヌーヴ監督の十八番である俯瞰の多用によって、まるで昆虫観察でもしているような冷厳さが宿る。


 もちろん多くの作品でヴィルヌーヴ監督と組んだヨハン・ヨハンソンの映画音楽の効果も絶大だ。およそメロディーめいたものを排除して、まるで地鳴りのように響くアブストラクトな音響が介入してくることで、観客も気軽に感情移入することを拒否されているような感覚に陥る。部分だけを切り出せば、スペクタクルで神秘的なネイチャードキュメンタリーだと勘違いされても不思議はない。



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