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『ショーシャンクの空に』贖罪と希望が観客にもたらすものとは

『ショーシャンクの空に』贖罪と希望が観客にもたらすものとは

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フリーマン、ロビンスの名演に拍手



 妻とその愛人を射殺したという身に覚えのない罪で投獄された、若き銀行副頭取のアンディ。劣悪なショーシャンク刑務所で日々暴力にさらされながらも、銀行マンとしての知識を生かして刑務所長や看守たちのマネーロンダリングに協力。理不尽に耐えながらも、そうして身の安全を確保し生き延びていくアンディ。そして遂に、失われた自由と尊厳を取り戻すため予想外の行動に出るのだった。。これらアンディの日々の行動は、モーガン・フリーマン演じるレッドのモノローグによって綴られていく。


 思わず目を覆いたくなるような残酷な場面に凍り付き、度々怒りに打ち震える観客の感情を、終始、諭すようになだめるのが、モーガン・フリーマンの物静かなナレーションだ。並みいるメジャースターを提示されたダラボンが、終始一貫してレッド役にフリーマンを熱望した理由は、その威厳、抑制された態度と物腰、そして、深い声だった。


 刑務所に運ばれてきた最初の日に、アンディの中に他の囚人とは異なる知性と可能性をいち早く見出し、以降、彼を冷静に見守り続け、やがて、運命を託そうとするレッド。演じるフリーマンの傍観者としての鋭い視点と、美しい語りなくして、この物語は成立しないと言ってもいいほどだ。後にフリーマンは、スティーブン・スピルバーグの『宇宙戦争』(05)や、第78回アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞した『皇帝ペンギン』(05)でもナレーターを務めている。演技と同様、ナレーションにも定評があることは、今やファンの間では常識である。




 一方、原作では小柄な男として記述されているアンディを演じるのが、身長195センチのティム・ロビンスだ。こちらも生涯最高の名演と言っていい。独特のベビーフェイスと、細長く白い体が刑務所内で惨たらしく汚されていくプロセスは、マッチョスターにはない強烈なリアリティがある。そんなロビンスが、諦めを通り越して達観に至る物語中盤の演技は、感情を押し殺している分、強い説得力がある。


 ダラボンの監督&脚色賞、ロジャー・ディーキンスの撮影賞ほか、全7部門で候補に挙がった第67回アカデミー賞(1部門も受賞できず)では、フリーマンのみが主演男優賞の候補となったが、ロビンスも候補に値する熱演だったと思う。



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