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 『トイ・ストーリー4』は必然だった!おもちゃの「自立」に踏み込むピクサーの総決算

『トイ・ストーリー4』は必然だった!おもちゃの「自立」に踏み込むピクサーの総決算


幸せな働き方とは?「自立」の物語



 切羽詰まったウッディをさらに揺らがせるのは、2つの出会いだ。1つは、新キャラクターのフォーキーとの初対面。もう1つは、ボー・ピープとの9年ぶりの再会だ。


 まず、フォーキーについて説明したい。彼は、ボニーが幼稚園の工作の授業で「作った」おもちゃ。先割れスプーンやアイスの棒などのゴミからできたおもちゃで、本人は自分のアイデンティティをゴミだと思っている。


 ここで興味深いのは、「おもちゃに心が宿る瞬間」をウッディが目撃すること。おもちゃとしての「始まり」にスポットライトが当てられるのは、これまでにはなかった新機軸だ。ウッディはフォーキーの教育係としておもちゃの在り方を教えていく中で、自分自身のルーツに立ち返っていく。自分は何のために存在しているのだろうか? 




 同時にウッディは、世代交代の波も感じ取っていく。ボニーはどこに行くにもフォーキーを連れていきたがり、ウッディは進んでそのサポート役に回る。愛が自分に向けられていないとわかっていても、「持ち主のために働く」ことが自分の務めだと信じているからだ。「昔はこんなに大変じゃなかった」とバズにこぼし、「君は、自分がどれだけ愛されているか分かっていない」とフォーキーに切々と訴える姿は、見ているだけで身を切られるようだ。まさに、「仕事が自分、会社が家」だったワーカホリックの哀しき末路。本作は、シリーズの中でも「お仕事映画」の側面が際立っている。


 

 そんな中、ウッディはボー・ピープと運命的な再会を果たす。「持ち主」という概念から解き放たれたボーは、各地を回りその先々で出会ったおもちゃや子供との交流を楽しんでいた。かつての仲間であり、最愛だった存在の劇的な変化と充実した表情に、ウッディは大きなショックを受ける。ボーはウッディに言う、「広い世界を見たくないの?」と。新たな選択肢と価値観が提示されたことで、ウッディはさらに苦悩する。この部分も、「会社勤めか、フリーの道か」と置き換えれば非常にわかりやすい。本作はあらゆる部分で、働き方を問う自立の物語になっている。



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