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 『トイ・ストーリー4』は必然だった!おもちゃの「自立」に踏み込むピクサーの総決算

『トイ・ストーリー4』は必然だった!おもちゃの「自立」に踏み込むピクサーの総決算


「擬人化」ピクサーの総決算



 ピクサーはこれまで、多くの「擬人化」を行ってきた。『 バグズ・ライフ』(98)の昆虫、『 カーズ』(06~17)の車、『 ファインディング・ニモ』(03~16)の魚、『 インサイド・ヘッド』(15)では感情……その原点が、『 トイ・ストーリー』(95)だ。本作は同スタジオの記念すべき第1作であると同時に「顔」でもあり、今回のテーマはスタジオ自体の総決算であるともいえる。


 擬人化するということは、人間性を与えるということだ。共感を生むと同時に、倫理的な問題も呼び起こす。『トイ・ストーリー』シリーズでは、おもちゃたちに「自由」を与えない部分が長らく議論されてきたという。人間性を持った存在が人間の所有物でいいのか? 乱暴な言い方をすれば「奴隷」ではないのか? という問題だ。


 


 これが例えば『 ブレードランナー』(82)のレプリカントや『 猿の惑星:聖戦記』(17)の猿たちのように是非を問う形で描かれればよいのだが、『トイ・ストーリー』シリーズではこれまで、その部分に言及してこなかった。おもちゃたちは人間に「使われる」存在でしかない。それがリアルといえばリアルなのだが、そこにファンタジーである「心」を組み込んだことで、作品を重ねるごとに独特のおぞましさがにじみ出てきてしまってきたと見ることもできる。


 だからこそ、本作は「おもちゃの自立」を大きなテーマに据えている。ボー・ピープを復活させたのも、この役割を担わせるためだったのだろう。ウッディの物語が「終わっていなかった」と同時に、本シリーズが描くべき内容もまたしっかりと残されていたのだ。当初は予定になかった第4作が示したのは、「始まりの終わり」。物語だけでなく、「おもちゃが人格を持つ」という設定自体に決着をつけたといえる。



 

 本作を観て思い出したのは、ディズニーの名作『 ピノキオ』(40)だ。生命の宿った操り人形が冒険の果てに見つけたのは、本当の自分。ピノキオの姿は、自分のアイデンティティの回復と居場所を求めてさまよい続けるウッディと重なる。


 心を得た「物」が、真の意味で「人間らしく」なるとは、どういうことなのか。きっとこのシリーズは、本作をもって神格化されていくのだろう。そう確信するほどに意義深く、見事な作品だった。



文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライターに。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」「FRIDAYデジタル」「Fan's Voice」「映画.com」等に寄稿。Twitter「syocinema」


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作品情報を見る


『トイ・ストーリー4』

7月12日(金)全国ロードショー

配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

(C)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.


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