『クリムゾン・タイド』あらすじ
ロシアの過激派がシベリアにある核ミサイル基地を乗っ取り、米国と日本を攻撃すると脅迫。再び緊迫状態にー。この事態に米軍は原子力潜水艦アラバマ号を緊急出動させる。艦長はたたき上げのラムジー大佐。副艦長は新任のエリート、ハンター少佐。ペンタゴン(米国防総省)からの通信が入ったその時、敵の魚雷攻撃が艦をかすめて爆発した。通信は途中で途切れ、指令の確認を優先とする副艦長と即時攻撃を主張する艦長は激しく対立し、艦内に緊張が走る・・・。
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トニー・スコットの下にスタッフが集結
『 トップガン』(86)や『 トゥルー・ロマンス』(93)などで知られる、アメリカを代表するヒットメイカーのひとり、トニー・スコット監督。彼の代表作のひとつであり、また潜水艦映画としても代表格のひとつに数えられる作品が、『 クリムゾン・タイド』(95)である。
本作は、アメリカの映画音楽を代表する作曲家ハンス・ジマーによる、最良の曲があてられた映画でもある。その重厚かつ勇ましい音楽が流れる中、アメリカ海軍の原子力潜水艦“アラバマ”の乗組員たちの前で、ジーン・ハックマン演じる艦長が雨に降られながら号令する高揚感に満ちた描写は、とくに軍事に興味のない者でさえも胸を熱くさせられ、ある意味では怖さも感じられるシーンとなっている。
『クリムゾン・タイド』予告
余談だが、本作のタイトル「クリムゾン・タイド」は、凄惨な事態を思わせたり、同時に、たぎる血潮の高揚感を表してもいるが、これはアラバマ大学のスポーツ・チームの愛称である。また、艦長の飼っている犬の名「Bear」は、同大学フットボール・チームの有名なコーチのミドルネームが由来だといわれる。
また、本作の優れた脚本には、『トゥルーロマンス』のつながりで、クエンティン・タランティーノも参加しており、上司と部下とのつながりを示す会話シーンにおいて、コミックの話題などを書いている。