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『ノッティングヒルの恋人』90年代を代表するロマンティック・コメディが、現在に与える影響とは

(C) 1999 Universal Studios. All Rights Reserved.

『ノッティングヒルの恋人』90年代を代表するロマンティック・コメディが、現在に与える影響とは

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リチャード・カーティス×ヒュー・グラント相性抜群のタッグ



 脚本リチャード・カーティス、主演ヒュー・グラントのタッグは、本作の5年前に製作された『フォー・ウェディング』(94)から続くものだ。もともと『ノッティングヒルの恋人』は、無名の俳優の起用を検討していたが、最終的には再びグラントとともに作ることに決まったようだ。カーティスは『フォー・ウェディング』の頃から本作の構想を温めており、グラントがイギリスを訪れたアメリカ人女性と恋に落ち、長期間に渡るロマンスを描いている点でこの二作は共通している。


 『ノッティングヒルの恋人』の監督ロジャー・ミッシェルは、「今回の映画と同様に、『フォー・ウェディング』も僕の大好きな映画なんだ。ユーモアや笑いに富んでいるだけでなく、人間の悲哀も描かれていて、現実感がある。だから今回の映画にも笑いだけでなく、人の苦しみも描けると感じた。リチャードもヒューも『フォー・ウェディング』から5年が経つ。両作品はタイプが違う。『フォー・ウェディング』は、本当の恋を知らない男が一目惚れする物語。今回の主人公は、もう恋をしないと決めたバツイチの男で、ジェーン・オースティンの作品の主人公みたいだと感じている。境遇は違うが、ナイーブな性格は共通している」と語っている(ミッチェルは95年にジェーン・オースティン原作のテレビ映画『待ち焦がれて』を撮った)。

 


(C) 1999 Universal Studios. All Rights Reserved.  


 ロンドンの外れに位置するノッティング・ヒルはカーティス自身が住んでいた街であり、彼はその地を舞台にした理由を次のように述べている。「貧しい者から金持ちまで様々な人間が住んでいる。あらゆる人種が共存する様子を描くには最適の街だ」「別世界の男女が出会っても不自然じゃない。だからウィリアムが住む街でアナが買い物をしている」


 また、舞台出身であるミッシェルはカメラを広範囲に動かして、様々な人種が雑多に共存する街をスクリーンに映し出している。とりわけ、アナに去られて途方に暮れたウィリアムがポートベロー通りを歩く場面では、夏から春まで四季の一連の流れを疑似ワンショットの移動撮影──実際はそれぞれ異なる季節のショットを撮影してから、巧妙な編集でシームレスに繋げられた──で捉えている。“彼女がいないとお日様だって出てこない”と歌うソウルフルなビル・ウィザースの「Ain’t No Sunshine」とともに、失恋から立ち直る彼の1年の経過が、約1分30秒に圧縮したモンタージュで表現されている(そのショットの初めに妊婦だった女性は春になると子どもを産んでいる)。



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