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『激突!』相手は運転手ではなくタンクローリー!描いたのは平穏な日常をぶち壊す巨大なモンスター※注!ネタバレ含みます。

(C) 1971 Universal Studios. All Rights Reserved.

『激突!』相手は運転手ではなくタンクローリー!描いたのは平穏な日常をぶち壊す巨大なモンスター※注!ネタバレ含みます。

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スピルバーグがこだわった2つのこと



 当初、74分のTVムービーとして完成した『激突!』は、1973年には90分の劇場用映画として海外配給される。劇場用では、主人公が運転するプリムス・ヴァリアントが、タンクローリーに押されて列車に跳ねられそうになる踏切のシーンや、2台がスクールバスを巡って対決するシーン等が追加撮影された。


 しかし、作品が完成するまでには、スピルバーグと製作のユニバーサルテレビとの間で、プリマスvsタンクローリー以上の熾烈な攻防が展開していた。


 まず、原作者であるリチャード・マシスンの練り上げられた脚本に強く触発されながらも、セリフが多すぎると感じたスピルバーグは、セリフの50%をカットしよう考えた。彼は映画少年時代からサイレント映画を漁るように観ており、沈黙こそが観客のイマジネーションを刺激する絶対的な要素だと確信していたからだ。



(C) 1971 Universal Studios. All Rights Reserved.


 だが、ユニバーサルは猛反対する。極端にセリフが少ないドラマは視聴者にとってハードルが高すぎると。しかし、スピルバーグは断固として譲らず、見事勝利。自ら"自身初のサイレント映画"と断言するほどの自信作を完成させる。「もし自分に最終的な編集権があれば、もっとセリフを削っていただろう」とは、本人の弁である。


 ラストショットでもスピルバーグとユニバーサルは揉めた。ユニバーサルは、崖を転がり落ちた後のタンクローリーを派手に爆発させるべきだと、当然のように主張した。主人公と一緒に長く苦しめられてきた、視聴者の怒りの発露として必要だと主張したのだ。


 実はスピルバーグは、ラストショットについてはセリフの量以上にこだわりを持っており、もし自分の希望が通らなければ、監督を降りるとまで明言。この問題では、人気TVシリーズ『逃亡者』(63~)等で知られる著名なプロデューサー、ジョージ・エクスタインがスピルバーグに同調、エクスタインの実績のおかげでユニバーサルを押し切ることができた。



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