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『激突!』相手は運転手ではなくタンクローリー!日常をぶち壊す巨大モンスター ※ネタバレ注意

(C) 1971 Universal Studios. All Rights Reserved.

『激突!』相手は運転手ではなくタンクローリー!日常をぶち壊す巨大モンスター ※ネタバレ注意

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相手は運転手ではなくタンクローリー!?



 スピルバーグがそこまでラストショットにこだわったのには理由がある。タンクローリーが谷底に落下した後に続く演出には、スピルバーグが『激突!』という作品に込めたメッセージが込められているからだ。


 土埃を上げながら崖を転がり落ちていくタンクローリーが、ようやく落ちきって静止したかと思うと、引っかかった枝をカチカチと弾きながら、勢いでまだ回転する車輪が徐々にスピードを落としていく。どす黒い重油がぽたりぽたりと滴り落ちる。まるで、鋼鉄の肉体から血が染み出すかの如く。そして、遂に車輪が止まる。



『激突!』(C) 1971 Universal Studios. All Rights Reserved.


 つまり、デニス・ウィーバー扮する小心者のセールスマンが、荒野のハイウェイで出会ったのは、あおりと嫌がらせを繰り返すトラック運転手本人ではなく、タンクローリーそのもの。動機も目的も不明のまま、平穏な市民生活を突如地獄へ変える巨大で邪悪なモンスターなのである。



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