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『ヒンディー・ミディアム』インドの社会問題を描きつつも楽しく笑えて最後に泣ける、映画娯楽の真骨頂!

『ヒンディー・ミディアム』インドの社会問題を描きつつも楽しく笑えて最後に泣ける、映画娯楽の真骨頂!


中流家族が上へ下へ



 『ヒンディー・ミディアム』のラージとミータ夫妻は、学区のある私立校入試のために高級住宅街へ引っ越しをする。娘ピアの後の“ご学友”作りのために、ご近所さんを呼びパーティを催すのだが、下町生まれの下町育ちで陽気なラージは、ピアといっしょに大はしゃぎをしてしまいご近所さんたちから白い目で見られてしまう。このあたりは、日本でもよく聞く「公園デビューでママ友の輪に入れてもらえない」といった、上流社会の暗黒面である。


 ラージとミータの努力も虚しく受験は失敗。失意の中“受験の闇ブローカー”の誘いに乗ってしまい、低所得者層の入学枠を狙い、再度受験に挑戦する。当初は書面のみの審査のハズが“闇ブローカー”の横行が学校にバレてしまい、個別の家庭訪問の実施が決まる。慌てた2人は貧困層の住む街に部屋を借り、いつわりの「貧乏暮らし」を余儀なくされる。


 上流階級の人々は『セックス・アンド・ザ・シティ』(98-04)を地で行く“ファンタジー”と言っても良いような、不自由はもちろん無い、優雅でハイセンスな暮らしを満喫している。一方で貧困層の人々は、はみ出るような(実際はみ出ている)満員の通勤バスに乗り、トイレにも自由に行けない厳しく過酷な労働をこなし、電気はもちろん水の供給もままならない生活をしている。




 そんな、コントラストの激しい格差社会を中流家庭出身のラージ一家を通して描くことで、絶妙なバランスでコメディに立脚させているのである。


 上流の暮らしぶりには慣れない。貧困層の暮らしは厳しい。腰の落ち着けどころを失った夫婦の奮闘を面白おかしく見せつつ、格差問題も直視させ、さらに最後には喝采を送りたくなるような心意気を見せる。


 『ヒンディー・ミディアム』は、社会問題を描きながら、楽しく笑えて、最後に泣ける。映画娯楽の真骨頂と言うべき作品なのである。




文: 侍功夫

本業デザイナー、兼業映画ライター。日本でのインド映画高揚に尽力中。



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作品情報を見る



『ヒンディー・ミディアム』

9月6日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー

公式サイト:http://hindi-medium.jp/

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