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『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』チャラく見せつつ、大人の仕事をキッチリ描く大根作品

(C)2017「民生ボーイと狂わせガール」製作委員会

『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』チャラく見せつつ、大人の仕事をキッチリ描く大根作品

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出会う男すべて狂わせるガールのお仕事、アタッシュド・プレスとは?



 さて、出会う男すべて狂わせるガール、天海あかりのお仕事はプレスである。正式名所はフランス語のアタッシュド・プレスである。広報やPRともいわれることもあるが、要は担当するブランドのイメージコントロールを行う部署であり、商品の宣伝、スタイリストや編集者との交際や、記事の露出の内容チェック、芸能人やファッションセレブへの商品の貸し出しやタイアップなど、多岐に及ぶ。この映画ではあかりのそういう賢い部分をあまり見せていないのが残念だが、相当に頭が切れる人でないとこの部署は務まらない。人の顔と名前と肩書を覚える記憶力は必須で、パーティ会場などでデザイナーや社長にそっと情報を耳打ちしている姿もよく見かける。ラフ・シモンズがディオールのデザイナーを務めていた時代のコレクションを追ったドキュメンタリー映画『ディオールと私』にはラフ・シモンズの横で厳しい顔をしたプレスの人がちらほらうつる。



『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(C)2017「民生ボーイと狂わせガール」製作委員会


 あかりの内面を語らない代わりに、あかりの見せる顔の多様さの演出は多彩で、それは場面によって矢継ぎ早に変わる衣装で表現される。今回の衣装担当は伊賀大介。水原希子はあかりのことを「相手の自分への関心や欲求に合わせて、自分を見せる子」と語っていて、大人の渋カジファッションのコーロキにあうようなあえてのドレスダウンのアイテムで彩る。でも、コーロキの部屋でコーロキのだれたTシャツや何も身に着けていないときの方が素敵に見えるのは、水原希子の魅力に負うところが多い。ちなみに伊賀大介と原作者の渋谷直角と大根仁は太田出版から出ている「ケトル」という雑誌でそろってコラムを連載中である(蛇足だが、私も書いているのであわせてよろしくお願いします)。



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