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『ダーククリスタル』人形劇のイメージを大きく変えた、ジム・ヘンソンの不思議な世界

『ダーククリスタル』人形劇のイメージを大きく変えた、ジム・ヘンソンの不思議な世界

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『ダーククリスタル』と『スター・ウォーズ』の秘密



 この映画が、かつてないほどのスケールで放つのは、驚異の映像革新である。これまでの人形劇映画、または特撮、アニマトロニクス、その技術の結晶となるのが『ダーククリスタル』なのである。


 子ども向け教育番組「セサミストリート」、人形を使ったトーク番組「マペット・ショー」などで知られるジム・ヘンソンは、米国を代表するマペティア(人形操者)のひとり。マリオネットとパペットを組み合わせた“マペット”の生みの親として知られている。ヘンソンによって製作されたマペット第一号のカーミット・ザ・フロッグ、ブタのミス・ピギー、クッキーモンスターなどは非常に有名なキャラクターだろう。


 ヘンソンが手がけたマペット映画といえば『マペットの夢みるハリウッド』(79)『マペットの大冒険/宝石泥棒をつかまえろ!』(81)などがあるが、彼のフィルモグラフィの中でも『ダーククリスタル』の存在は極めて異質である。




 構想から完成までに5年という歳月を費やし、1,500万ドルの巨費を投じ、叙情的な世界を創り上げた『ダーククリスタル』は、マペット映画の域を優に超えている。今、この映画を製作すれば、デジタル処理を併用した陳腐な映像となるはずだ(事実として、前日譚となる『ダーククリスタル:エイジ・オブ・レジスタンス』には、デジタル処理が多用されている)。


 人形遣いとしての豊富なノウハウを結集させた『ダーククリスタル』は、誰も観たことのないマペット映画の先駆として、今なお語り継がれている。それだけでなく、これらマペットの精巧な技術は、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)に登場するヨーダの実現にも一役買っている。


 ルーカス・フィルムは当時、ヨーダをスクリーンに登場させるプランをまったく持ち合わせていなかった。ヨーダのデザイン・ラフは存在したが、それを映像としてスクリーンに登場させるには、どうしたらいいものかと。そこで、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』の名プロデューサー、ゲイリー・カーツは、ヘンソンが主宰するヘンソン・カンパニーに協力を求めたのだった。



 求めに応じたヘンソンは、同カンパニーから人形操者として著名なフランク・オズらを遣わせた。こうした経緯で、カンパニーのマペット技術を駆使した、緻密なヨーダのマペットが造られたのだった。最終的にフランク・オズは、ヨーダの声優としても「スター・ウォーズ」シリーズに参加することとなり、またプロデューザーのゲイリー・カーツは、『ダーククリスタル』の製作にも関与することとなったのだ。



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