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『アバウト・ア・ボーイ』卓越した“子供の描き方”に影響を与えた『大人は判ってくれない』のエッセンスとは!?

『アバウト・ア・ボーイ』卓越した“子供の描き方”に影響を与えた『大人は判ってくれない』のエッセンスとは!?

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原作ではニルヴァーナが大きく取り上げられていた?



 とにもかくにも、本作『アバウト・ア・ボーイ』で目を引くのは、ワイツ兄弟による極めてクレバーな脚色ぶりである。そもそも本作で重要な位置を占める楽曲”Killing Me Softly”は原作には一回たりとも出てこないし、クライマックスの学内コンサートもワイツ兄弟が考案したオリジナルのアイディアだ。


 それに、タイトルの『アバウト・ア・ボーイ』とは、ニルヴァーナの楽曲”About a Girl”をもじったもの。原作ではこのニルヴァーナの存在が大きなフックとなっており、94年に起こった、カート・コバーンの自殺という衝撃的な事件がファンたちに与えた影響なども、色濃く投影された内容となっている。つまり本来なら93年、94年という時代性やカルチャーが強く香り立つ物語だったのである。



 もちろん、ニルヴァーナの要素を全て割愛したことを残念に思う読者もいるだろうが、それに比べると、いざ完成した映画は時代を超越した普遍的な物語となりえたのではないか。今見ても本作が、ファッション、カルチャー、演技、台詞のいずれにおいても全く色あせず、むしろ現代以上にフレッシュな感覚で観る者を魅了してやまないのは、こうした決断と、それにニルヴァーナではなく本作の音楽にバッドリー・ドローン・ボーイ(サントラ盤も大ヒットを記録)を起用したことなどが理由として挙げられるのだろう。



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